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｢和くん！和くん！｣
俺の後ろの方でドサッという音がし、スマホで照らし確認すれば、酷い顔色で倒れている和くん。
彼は三宅さんの弟くんで、たまーに顔を合わせる仲。
まさか同じエレベーターに乗ってたとは。
それにしても、かなり体調が悪そうだし、心配。
｢あの、僕、医師です。おふたりはお知り合いですか？｣
俺の焦った様子に、心配そうに見守る2人の男性と、医師だと名乗る男性。
近くに屈み、色々な質問を投げかけてくる彼。
和くんは“アジソン病”という副腎皮質の機能が低下してしまい起こる難病指定の病気。
数年前、結核菌に身体を冒された和くん。その結核菌が血管を通り、副腎皮質に到達し、悪さをした結果この病気を発症。
決まった時間にしっかり薬を飲み、しっかり栄養をとり、休まないと、命に関わる病気。
ストレスなどがかかったり、体調が悪い時は、薬を多めに服用し、調整していかないといけない難しい病気なんだ。
それを説明すると、険しい表情をし、和くんに声をかけ始める彼。
｢二宮さん！今、お薬、持ってますか？｣
和くんの背中を摩りながら優しく聞く彼。
｢ない、、、です｣
不安そうに零れる言葉。
｢……そうですか。では、今、どこが辛いか言えますか？｣
それに対し、こちらの彼は更に険しい顔をしつつも、優しく聞き出す。
それだけ深刻な事態なんだろう……。
俺はひとまず、兄の三宅さんに電話し、状況を伝える。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月25日 14時
