可愛い弟 ページ24
｢かず〜、だいじょぶか？｣
｢みてのとおり｣
今年小学生になった弟の和也。
兄弟で1番上の俺とは13歳差。
だからよく親子に間違われるんだよね。
今日は、そんな、息子同然の弟、和也のお見舞いの日。
未熟児で生まれ、身体も弱く、しょっちゅう入院してる彼。
数ヶ月前に小児がんを発症し、がん細胞の摘出を終え、今は回復期に入ってる。
もうすぐで退院ってところなんだけど、入院のストレスから喘息が悪化しちゃって、、なかなかここを抜け出せない状況。
そんなもんだから機嫌は超絶悪くて…。
｢かずくん、食欲どう？ある？｣
｢おかず次第。｣
担当医にもこんな態度だ。(笑)
｢かず、元気になった？？｣
学校終わりに雅紀とお見舞いに来た潤。
彼はかずの双子の弟で、共に未熟児として生まれたんだけど、健やかに成長し、大きな病気は1度もしてない元気な男の子。
病室に入るなりランドセルを俺に預け、かずのベッド際に寄っていく。
鼻につける酸素のチューブが取れていることから回復に向かってるんだなと察した潤は嬉しそうに｢元気になったんだよね！？｣と繰り返し聞く。
｢多少は。それより、テストはどうだったのよ？｣
｢あ！今日ね！算数のテストと漢字の50問テスト返ってきたの！みる？｣
｢みせてみせて｣
同じ年代の子より大人と過ごす時間が長いせいか、喋り方が若干おっさんな和。
年相応の可愛い喋り方をする潤と親子みたいな会話をしてて、思わず吹き出してしまう。
｢さとにぃも見る？潤すごいよ、けほっ、んんっ、、ごめっ、、けほげほっ、、｣
咳き込む時も｢ごめん｣とかをさりげなく言うもんだから、もう完全に大人なんだよね(笑)
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月25日 14時
