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｢レントゲン撮って確認したいけど、、肺炎で間違えないだろうね。とりあえず、確定診断に至らなくても、胸はゼロゼロしてるし、熱も高いから点滴からお薬入れてとりあえずの処置をしよう。｣
｢岡田先生、サチュレーション88だよ、さすがに酸素吸わせないとやばくない？｣
｢だな、車に一応積んできたけど、誰か取りに行ける？｣
櫻井さんが手配してくださったのは、彼の親族が経営する病院の優秀なお医者さん。
｢岡田ぁ、ネブライザー持ってきたよぉ｣
プラス、眠そうな顔したおじさん。どうやら同じ病院で働く小児科のお医者さんらしい。
名前は大野さんって言って、患者さんを前にすると表情が一瞬にして切り替わり、｢もくもく吸おうね〜、ってナリくんじゃんか、辛いなぁ｣と滑舌も良くなる。
どうやら、和は昔よく診てた患者さんだったらしく、親しげに話してる。
赤かった頬がピンク色に薄まり、酸素マスクが曇る速さも落ち着いてきた頃、そこにいた全員が安心して彼を囲いながら眠りについた。
和はやはりいい人で、人を引き寄せる力がある。
心がない人間のせいで一度、彼の周りに誰もいなくなったことがあったが、これを機に、一気に彼の人気や信頼は戻っていき、和がついた“雅紀と仲良くやってる”っていう“嘘”が“本当”に変わる。
｢明日だね退院！｣
あの日の朝、安心して緊張の糸が解けたのか、｢しんどい、、びょういんいく｣と再び赤に染ってしまった頬が動く。
｢やっとだー！雅紀、僕の退院祝いは何くれるのかな？｣
数日間点滴を流し続ければ、この通り、明るく元気な和に戻り、楽しく会話ができるように。
これには横で見守るお母さんも安心した顔して、病室一帯が、のほほんと暖かな空気に包まれる。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月25日 14時
