友人が刀剣男士に会ったとか言ってるんだけど【刀剣乱舞】 (ページ2)

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信じないでしょ。ページ2

あれから毎日のように彼女は私に話しかけてきた。

加州清光と大和守安定とおにぎりを食べたとか、兄様(江雪)とお小夜とお茶したとか。

何やら、そのドアは本丸と自宅を結ぶ架け橋の役割をしており、彼女は頻繁にそのドアの向こうに足を運んでいるらしい。

｢それでさ、それでさ！五虎退の虎がっ！」
『ねぇ、明日仕事だから切るよ』

｢あー！もうまだ全然話してないのにー！」

(もう一時間は話してるよね…)

『じゃあね』

無理やり、通話を終わらせるとそのままベッドに転がり込んだ。携帯をジッと眺め、ため息をついてリモコンを手に取り部屋の電気を消した。

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私の1日は機械的なアラーム音から始まる。おぼつかない手で枕元の携帯を手に取りアラームを消し時間を確認する。

のそのそとベッドから這い出て、朝ごはんを作る。一人暮らしになってからは、適当に残り物とかパンとかを食べていた。

パンツスーツに着替えると、いつものように黒いパンプスで家を出た。生まれてから一度も染めたことのない黒い髪を束ね、バッグを持つといつも気合いが入った。

キツキツの満員電車の中を耐え、職場へと急いだ。

私の職場は女性向けの洋服を制作している。デザインはプロの方に頼み、私は企画や展覧会などのイベントを中心にバソコンと向き合っている。

企画課のオフィスには三十人程の若い女性が集い、営業課には男性が多くいる。

私はいつもコーヒー片手に、座っていた。別段、コーヒーが好きだと言うことではない。

どっちかと言うと、苦手な分類に入る。普通に、コーヒーよりカフェオレの方が好きだし、カフェオレよりもオレンジジュースとかの方が好きだ。

なぜ私がコーヒーを飲むようになったのかは、さほど珍しい理由ではないと思う。この会社で働き始めて三年。後輩と言っていい人もできた。

よく私はオトナっぽい女性だと言われる。一応成人済みだし大人ではあるが、仕事ができる女だという意味だそう。

初めて、新人社員の教育係ができた時、その子が気を利かせて私にコーヒーを持ってきた。
善意を断ることも出来ず、笑顔で受け取ると礼をいいコーヒーを飲んだ。

するとその子は、私がコーヒーが好きだと勘違いし、次の日も、その次の日もコーヒーを持ってきた。

そうやって一年がすぎ、彼女はいつまでもコーヒーを持ってきて、｢おはようございます！」と笑顔で言うのだ。