【コンパス】君の成長、楽しみだ。【桜華忠臣】 (ページ10)

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そして始まるページ10

《お願いします、チカラを狙われて、おわれてるの！どこか、遠くへ逃げれるように、助けて！》

〈ほう、ここから離れればよいのだな？〉
《お願い！》
〈2つ、条件だ。〉

〈1つめはここから逃せるのは我とて簡単ではない。
故に生きた人間を2人、それとモノ達は3種のみだ。〉

『ものは3種って…！』

〈それ以上は無理だな。
もう1つは
交換条件だ。〉

〈条件をのめば我のチカラを使えるモノのいるであろう所へ移動させる。
その先で、我の依り代を探して交渉せよ。〉

《2つ目はわかった。でも…！》

「皆さん！来ます！」
瞬間、空を割く音と少し遅れドスドスドスとなにかがささる音。
ふりかえるとそこには、
矢に貫かれた茶器の2人が。
「「守れて…よかった…」」
瞬間、姿はサラサラときえ、足元に割れた茶器が2つ
『！？』
「Aさま！はやく！お逃げください！」筆が必死に訴える。

『でも！』
「あなたを！チカラで守れるのは、朝霧様、夕断ち様！それとれん様だ！」
「ここで最後の盾になるくらいしかできない！でも、私は本望なのです！はやく！」

『ごめんね…』

《私たちと私の愛刀2振り、それとこのぬいぐるみを。》
〈よかろう。我のチカラを貸してやる。〉
すると祠が歪む。

ザシュッ

背後からきこえた嫌な音に、ふりかえるとそこには切られた筆が。
「いき…てね…」
そう残し壊れた。

「ふん、まさか、ここまで軍団を減らされるとは。
いくら庶民の寄せ集めとはいえあの数をここまでしたんだ。褒めてやろう。」

「だが」

「逃がしてたまるか！」

Aを目掛け振り下ろされる刀。そのときまえから押される感覚で祠の歪みに投げ込まれる。

その時みえたのは、
『！？母上！』
そして、

ザシュッザシュッ
2度切られる母の姿。
そして噴き出す赤。

「元気に生きてね、A」

その言葉をきいて、暗闇に吸い込まれた。