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來夢は呆然としていた。
｢おい｣
腕をぐいっと引っ張られる。
｢帰れ｣
來夢は足に力を入れ、踏みとどまろうとする。
だが、カゼはそんな來夢を無視し、ズルズルと引きずっていく。
自分の体重だけじゃ足りないと思い、來夢は諒の腕を掴んで叫んだ。
｢え、ちょっ！？｣
｢いやだ！！｣
カゼは舌打ちをし、諒に銃を構えた。
｢死ね！！！｣
｢え、俺無関係だろッ！？ちょッ、待てってー！｣
諒は空いてる方の手をブンブンと振った。
｢今銃持ってねぇよー！！死ぬー！！｣
來夢はカゼが銃を諒に向けているのに気づき、慌てて掴んでた手を離した。
｢わっ！｣
諒はいきなり手を離され、後ろによろめく。
カゼは來夢をまた引きずった。
強引すぎるよ…。
來夢はしゃがみこんだ。
掴まれてる方の腕が痛い。
來夢は地面を見ていた。
しゃがみこむ來夢にカゼも足を止める。
頭上でカゼの声が聞こえた。
｢立て｣
その一言だ。
カゼは俺が嫌いなのかな…。
ふと、そう思った。
カゼの考えてることは、分かりにくい。
喋っている時も、必要以上に言葉に感情を乗せず、淡々としたしゃべり方。
カゼ…。
俺が来たのは迷惑だった…？
｢來夢、立て｣
來夢は首を横に振る。
｢いやだ、嫌だ…！！｣
カゼは來夢の髪をグシャと掴み、グイッと引っ張り上を向かせた。
來夢は一瞬、痛みに顔を歪める。
その状態のまま、カゼの目は來夢の目を捕らえた。
｢帰れ｣
｢いやだ｣
來夢の決意はそう簡単に変わらない。
そんな軽々しい気持ちでここに来た訳じゃないのだ。
そんな來夢にカゼは苦虫を噛み潰したかのような顔をする。
カゼは口を開く。
來夢に問いかけた。
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作者名：みあゆい | 作成日時：2019年12月6日 17時
