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拾捌.目的と、 ページ12

っ、油断した…まさかまだ生きてた何て…
確かに首を真っ二つに斬った。なのに、それでも生きてるって事は…


邪気「…時間遡行軍、ジャ、亡イ…」

『…!!喋れたの…』

邪気「意思ハ、アル。自分ノ、目的ハ、乱藤四郎、削除スルコト。」


…まさか、時間遡行軍になって、乱藤四郎の存在を過去から消すのではなく、分霊ごと消す何てね……

本霊も消せば、分霊も消す。なら、乱藤四郎を過去から消せばいい。なのに、それをしないって事は……


邪気「オ前、憎イ。ダカラ、消ス。」


目的は、私か。

恐らく、私の情報を何処からか知った。
私の…恐らく最大の武器を危険に思い、先ず乱藤四郎を隠した。
そしたら乱藤四郎は、先ずお気にいりの私を此処に引きずるだろう。
そしてそのまま私を…


『…そんなに、私のこれが危険なの?』

邪気「答エル、必要ハ亡イ!!」


邪気が持っている武器を振り上げる。
私は、主さんの霊力によって回復した足を蹴りあげ、そのまま跳ぶ。

ふむ…そんなに私のこれにご執着してるのか。
ならいいよ。


『そんなに好きなら、これで死にましょう。
ほら、喜んでよ。』


首元から私の証(触手)を出し、邪気に振りかざす。
それは何よりも速く、邪気を取り囲んだ。


***

叫び声を挙げる暇さえ与えず、ぐちゃぐちゃにする。
私の赤かった触手は邪気を吸い込み、先端が少し黒ずんでいる。
仕舞おうとした時、後ろから体温を感じる。


『…乱ちゃん。』

乱「ありがとう。ごめんね、巻き込んじゃって。」


私に向けての感謝と、謝罪。
謝罪はきっと、二つの意味を持っている。
自分が、邪気の目的を気付けなくて、この中に引きずった事。

そして、私に実の母親を殺させてしまった事。


『…私は、もう人間じゃない、刀だ。』

乱「うん…」

『でもっ…今だけは、人間でいさせて……』

乱「いいよ、僕の前では、好きなだけ泣いて。」


ずっと分からなかった身内を一人を、邪気であれど、殺してしまった。

頬に雫が伝う。
余韻が漏れる。
私は、今だけ人間になっている。

ごめんなさい、お母さん。
親不孝者で、前世では貴方を何回も恨んだ。
けれど、


_「大きくなったね、A」_


貴女はきちんと、私を愛していた。
転生した後でも、私を見付けてくれた。

お母さん、ねぇお母さん。
どうしてそのまま転生せず、邪気になって私に会いに来たのか、分からないけど。

せめて、次の生は、幸せに。

拾玖.後日談的な→←番外編.撫で心地が良いのです



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作者名:赤林檎 | 作成日時:2019年2月16日 17時

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