惨拾捌.同位体 ページ32
そんな事あって、今は、大広間に近侍の清光さんを抜いた刀剣男士が全員集まっている。
私が眠っていた間に、操られていた刀剣男士とも和解出来てた様で、私を心配すると共に感謝もされた。
…五虎退が泣き始めた時は、どうしようかと思った。
それで、何で全員集まってるかと云うと、今すぐに見習いを追い出す為に、挨拶程度はさせよう、と皆思った訳だ。
危うく自分の主を裏切りそうだったのに、挨拶をさせるなんて、人間が好きな付喪神らしい。実際そうだが。
そう言えばファンデーション忘れてたな、と思ってた時、襖が開いた。
…手を後ろに拘束されている、見習いと主様と清光さんだった。
友斗「…この挨拶が終わったら、あんたを政府につき出す。何か言いたい事はある?」
見習い「…皆さんに、多大なる迷惑をお掛けした事を謝罪します…」
見習いの言葉に、少しだけ顔を歪める。
その発言は、まるで「自分はやっていない」と言ってる様に聞こえた。
それにねぇ、見習い。罪を重ねるのは良くないよ。生きづらくなっちゃうよ。
見習いの口が動く。
見習い「……っ、けん、」
『言わせるものか。自分がやった事を、目を反らして、逃げるな。』
見習いがあの台詞を言う前に、手で口を塞ぐ。言わせる訳ないじゃん。だって同位体だもの。流石に分かるよ。
『卑怯な真似をしてまで、主様を殺したかったの?無理だよ、私がさせない。
…だって、同位体を使われる何て、嫌だと思わない?』
私の言葉に、後ろから驚く声が聞こえる。
そう。この見習い、何時かは分からないけれど、無許可鍛刀をしていた。
そして今。懐にその鍛刀した刀剣を、顕現させようとした。
自分の刀剣男士なら、一度顕現させた後は声を出すだけで顕現させる事が出来る。
彼はそれをしようとして、何とか逃げようとしてたのだ。
じゃあ、どうしてそれが私が分かったんだ、と?
…彼は鍛刀した刀剣を、懐に入れていた。
神剣すら気配を感じなかった。
だとしたら、あとひとつ。
『…君、無許可鍛刀で″乱藤四郎″を作ったでしょう?』
…同じ自分だよ。
だから、私しか感じなかった。
感じれなかった。
『呪具使用に乗っとり未遂、本来見習いには禁止されている鍛刀、他人の刀剣破壊未遂。
…罪は軽くないだろうね。』
因みに刀剣破壊未遂は私が破壊されかけたからだ。呪具が原因とは言え、持ち主に罪がかかる。
本当、彼の人達に似てる。
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作者名:赤林檎 | 作成日時:2019年2月16日 17時