番外編6．秘密のサンタさん ページ38
朝起きると、まだいち兄は眠っていた。
しかし昨日？と違い、微笑みながら眠っている。幸せそうだ。
そのままゆっくり起きて、粟田口の部屋に向かう。
襖を開けると、はしゃいでいる兄弟の姿が目に映った。
『どうしたの？』
五虎退「乱姉、起きたんですね、良かったです！」
包丁「あっ、乱姉！聞いてよ、今日起きたら枕元にマフラーがあったんだ！」
知らないフリをして五虎退に聞くと、そう返ってきた。
その近くにいた包丁が、パステルカラーのマフラーを笑顔で握りながら答える。
他の兄弟も喜んでいる姿が見える。
成功したみたいだ。
秋田「でも、一体どなたが僕らの元に置いたんでしょうか…」
平野「太刀の皆さんも聞いて見ましたが、知らないって言ってましたし…」
『ふふ、サンタさんがいい子にしてたから、プレゼントをあげたんじゃないかな？』
そう言うと、びっくりしたが、すぐおはようと言ってくれる兄弟。
一部はそうなのかもしれない、嬉しいとはしゃいでいる。
その姿を微笑みながら見ていると、隣に薬研が来て、小声でこう聞いてきた。
薬研「これ、乱の仕業だろ？」
『やっぱり薬研には分かる？そう、私が全部やったの。』
薬研「全部か…改めて聞くと、恐ろしいな…」
そう、兄弟全員の分を作るのは以外と苦しかった。
…知ってる？12月26日はプレゼントを開ける日何だって。
名前は忘れちゃったけど…喜んでくれたなら、何より。
＊＊＊
一期「乱！！」
『あ、いち兄。どうしたの？』
朝餉の後、廊下に出た私を引き留めるいち兄。
まぁ、何となく要件は分かってるんだけど。
一期「これ、乱だろう？態々ありがとう、弟達の分もね。」
『ふふ、やっぱりばれちゃうか。いいよ別に。私がやりたかっただけだし。』
そう言うと、ニコッと微笑み、静かに近付いてくる。
そして抱き締められたかと思ったが、すぐに離された。
首もとに違和感を感じて、触ってみる。
『…ネックレス？』
一期「兄が何も用意しないのは駄目だからね。加州殿と一緒に選んだんだ。
どうも私は、女心ってのは分からないから…」
そう苦笑いしながら言ういち兄。
だけど、普通に嬉しい。
ネックレスは中心に金色の星があり、周りにそれより小さなパールが散りばめられている。
シンプルだが、どの衣装にも似合いそうだった。
『ありがとう、いち兄。』
一期「気に入ってくれて何よりだよ。
…来年こそ…」
『何を言われようと、着ないからね？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 404人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！演練２で女の子同士ではないでしょうか？ (2018年11月17日 23時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あすひ - 面白くて一気に読みました！これからも頑張ってください^∞^ (2018年10月10日 18時) (レス) id: 514ad356af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤林檎 | 作成日時：2018年10月7日 0時
