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19.打刀 ページ21

Aside

……目を覚ます。

天井が見える。しかし、同時に膝に重みを感じる。

まだ重い身体を無理矢理起こし、膝を見る。
そこには、今剣と五虎退、始めてみる秋田、厚、あとは知らない子達が眠っていた。

横を見ると、胡座で座りながら、壁にもたれて寝ている薬研もいた。


手を見ると、血がなくて、元通りになっていた。誰かが拭いたのだろう。


『……看病、してくれたのかな。』

?「そうだよ。そいつら、乱が吐血した、って聞いてから、付きっきりでね。」


後ろから、声がする。

開いていた襖から、赤い目の男性がそこに立っていた。

無意識に警戒をする。


?「あー、大丈夫。ここからは動かないから。中にも入らないよ。

…俺、加州清光。ここの初期刀で、一番古くからいる刀だよ。」


ゆっくりと、微笑みながら言う加州さん。

話し方が良かったのか、″この人は安全だ″と身体が語っている。


清光「そうそう、乱の事は知ってるから。女体化に、性格真逆なんでしょ?

…だからと言って、酷い事はしないから。
ごめん、約束破るけど…涙、出てるよ?」

『え……』


加州さんが入ってきて、そう言う。

目元や頬に手を当てると、確かに涙が出てきていた。

加州さんが私の隣に座り、指でそっと涙を拭ってくれる。


清光「乱は女っぽいからさ、涙を流す顔より、笑顔の方が似合うよ。

それに、今は女なんでしょ?
だったら尚更、可愛くした方がいいよ!俺はそっちの方が好きだな。」


″好き″と言う言葉に、思わず嬉し涙が出てくる。

加州さんはまた慌てて拭うが、私の涙は止まらない。


『…いいんですか?』

清光「うん?何が?」

『こんな私でも…普通に過ごして、いいんですか?』


怖かった。

私には、普通の生活なんて、永遠に来ないと思ってた。

だから、聞いたんだ。


清光「!当たり前じゃん!!

ここは全員家族なんだよ!
だから、悩みとかも聞いてるし、全員で悩んだりする。

だから、我慢しなくていいよ。」


嗚呼、駄目だ。

私は膝の重みも無視して、加州さんに抱き付いた。胸に、顔を当てた。


『っ………ありがとうございます!!!こんな私でもっ…!!』

清光「こら、涙より笑顔が…まぁいいか。思いっきり、泣いていいよ。」


私の涙腺は、その言葉と同時に、プツンと切れた。

私はプライドも我も忘れて、ただ泣きくじゃっていた。

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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時

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