角名くんに降参してほしい女子ＶＳ角名倫太郎【稲荷崎】

第２０話 ページ20

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めんどくせえな。

とりあえず王道の日本語わかりません作戦でも使うかあ。



『 what's up?(何か用ですか?) 』



英語の発音だけはいいので。

そう思いながら振り返ると、チャラ男は明らかに焦った顔を見せていた。

そりゃそうだわな。話しかけた女が外国人だったらナンパできねえもんな！！ざまあ！！



「 you are so beautiful!(あなたはとても美人ですね) 、Wouldyou like to have a tea together?(良ければ一緒にお茶しませんか?) 」



ま じ か

コイツも英語喋れるのかよ！！チャラそうな茶髪と輪っかピアスを揺らしてそう言う彼に慄く。


ギャップすげえな！！コラ！！

なんて思いながらぐぬぬ、と唇を噛む。実は私英語は安易なものしか聞き取れないのだ。

だからなにを言っているのかさっぱりわからない。自分から持ちかけたことに後悔する。




「 …やっぱりお姉さん英語話せないんでしょ 」


「 エッまじで！！騙されたわ〜！ 」




そのまま騙されとけ

なんて言えない、馬鹿っぽい金髪をチラ見してからもう一度茶髪に視線を移す。


最悪、どうやって撒こうか。

眉間にシワを寄せて得策を頭の中でぐるぐると考え込んでいたら、




「 でも正直お姉さん、ナンパ待ちやったっしょ〜！ 」




鎖骨をすすーっとなぞられてめっちゃくちゃ寒気がする




『 っ、さわないでいただきたい 』


「 え〜だってこんな鎖骨丸出しでえっろい格好しちゃってさ〜 」


『 世界一カッコいい彼ピッピのために色気ねえ鎖骨出してんだそんくらい理解しろや 』




思わずそんなことを口走ってしまい、両手で口を覆ったが手遅れ。

金髪は「ほお」と黒い笑顔を浮かべた。


やめてくれその笑顔

宮侑を思い出すからなうん、まあ宮侑と顔面偏差値がエグ違うけどね！！！




「 でもその世界一カッコええ彼氏、彼女が俺らに絡まれててもなんも助けにこーへんやん 」




そりゃな！！！

集合時間より２０分も早くきたらそりゃまだ来ねえやろ！！！！

と思ってとりあえず握られた腕を振って逃げようとした時




「 来てるけど 」




静かな声が頭上で響く。

上を慌てて見ると、彼らより遥かに目線が違う大男、角名くん登場。



「 誰の彼女に手、出してるのお前ら 」



茶髪と金髪の笑顔がどんどん引きつって、しまいには圧に負けたのか「ほなまたな！！」とか焦って何処かへ行ってしまった









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