だいきらいしぇあはうす

知ってること、知らないこと ページ9

「………。」



「あ、良かった。まだ居たわね。」



自問自答をし、ようやく出た答えと理由を頭の中で整理していた時だ。


家の中から、包容力のある優しそうな女性が姿を見せた…彼女は私を見ると、安心したように息を1つ吐き、此方に近づいてくる。



「花野 樹さんよね?お父様から話は聞いているわ…千影の母の真琴です。あの子が怖がらせちゃったみたいで、ごめんなさい。」



ペコリと頭を下げ、謝罪をする真琴さん…私は慌てて首を横に振った、謝罪をするのは寧ろ私の方だ。



「い、いえ…そんな謝らないでください!」



「あの子、不良って言われてるけど、本当は優しい子なの、不器用な性格だから周りから誤解されやすいけど、…どうか怖がらないでくれると嬉しいわ。」



言葉1つ1つに、子を思う母親の気持ちが伝わってくる…自分の子供が不良と呼ばれて、良い気持ちの親なんていない。


この人だって同じだ。


桐ヶ谷 千影が、本当はどんな人なのか分からない…噂がどこまで真実なのか、それを知っているのは本人だけ。



「あ、あの…私…。」



なんて返せば良いのか分からず、言葉が詰まってしまう…その時だ。



「っ…こら!暴れんな、黒まろ!」



…く、黒まろ?

黒まろ黒ネコ→←予想外の展開

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