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「たかき…」
俺の名前をそんな甘い声で呼んでくれるなんて、想像もしていなかった。
再び唇がぶつかり、俺が少し胸を押したら簡単に伊野尾くんは後ろに倒れて、服の中にも難なく手を入れられた。
こんな…こんなにあっさりと伊野尾くんを捕まえられるなんて…。
冷静にならなきゃ、と頭では分かっているけど
切なそうに俺の事を見つめて、小さく声を漏らす伊野尾くんの姿を見てしまったら、もう理性なんてものはズタボロだ。
手を動かすと伊野尾くんは口もとを押さえて声を出さないように堪えていた。
声、聞きたいなとも思ったけど
必死に堪えるのも可愛くて、まだその姿を見ていたかった。
俺…変態だな。
細くて白い首筋に顔を埋めて、舌を這わすと体がふるふると震えているのが分かって、
可愛いな、もっと感じて欲しいな…と顔が綻ぶ。
でも、神様って肝心なところはちゃーんと見ているようだ。
「………え?」
声が聞こえなくなったと思って顔を上げると、ついさっきまで小さく息をしていた伊野尾くんは
すー、すーと寝息をたてて寝ていた。
え、嘘、このタイミングで寝る!?
「い、伊野尾くん…?」
試しに名前を呼んでみたけど…駄目だ、もう完全に夢の中だ。
ま、まじかー…。
……いやでも、これで良かったのかもしれない。
あのままやっちゃってたら多分罪悪感で押し潰されていただろうし。
そういうことをするなら、ちゃんと伊野尾くんと話したい。
伊野尾くんの気持ちも聞いて、その…付き合ったりしちゃって…
まず、デートしたいな。
「……って、何妄想してんだ」
明日、起きたら
伊野尾くんが作った朝ごはんを食べながらゆっくり、話せるといいな。
仰向けで寝る伊野尾くんに布団をかけて、部屋を後にした。
「あ、おはよ。朝飯そこ置いてるから」
朝になったら伊野尾くんはいつもと同じように朝食を作って、なにやらバタバタと部屋を行ったり来たりしていた。
「…おはよう。どうしたの?」
「あー…この辺に課題置いてたんだけど、どこやったかなーって思って」
「あぁ…それなら」
向こうの棚に置いといたよ、と指差すとそっちに向かって「あったあった」とそれを雑にカバンに突っ込んだ伊野尾くん。
……え、いや、ちょっと待ってね?
「い、いのおく…」
「じゃー行ってくるわ。今日1限からなんだよ」
バタン、と普通に閉められたドアに俺はとにかく戸惑うことしか出来なかった。
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shootingstarhap(プロフ) - supikaさん、読んでくださってありがとうございます…m(_ _)m自信がないので、もし空いてる時間があったら是非、感想くださいm(_ _)mよろしくお願いします(^^)頑張ります(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました!昇天しちゃいそうですね〜笑笑 お話書き始めたんですね!読ませていただきました(´˘`*)楽しみにしているので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月21日 9時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 番外編読みました(^^)そうだったんですね…!このこと睫擇気鵑知ったら、昇天しち(いますかね?あー…教えてあげたいです(笑)ずっと書き手さんって凄いと思っていましたが、自分も書いてみて、改めて書き手さんって凄いって思いました!また楽しみにしています(^-^) (2020年6月21日 1時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - musicmans5962さん» そうなんですよ!笑 裏設定でずっと考えていたのですがなかなか出すタイミングがなく番外編にしてみました!睫擇気鵑瓩辰舛磴瓩辰舛禊遒屬任靴腓Δ 笑笑 読んでくださってありがとうございました! (2020年6月21日 0時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - きゃあ!もうそうなんですねいのさん。いのさんの方が先に睫擇気鵑卜に落ちてたんですね( ´ ▽ ` )きっとそのことを睫擇気鵑知ったらものすごい喜ぶんだろうなあ( ´∀`)番外編も読めて、めちゃくちゃ嬉しかったです!ありがとうございます。 (2020年6月20日 23時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年5月11日 12時