ツンデレーションギャップ tk*in

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思わず伊野尾くんを引き寄せて、ぎゅっと抱きしめた。
なんだよ、なんでそんな可愛いんだよ。

愛おしすぎて、心臓破裂しそうだ。



「伊野尾くん、好きだよ」

「ぐすっ…うん…」

「伊野尾くん以外に好きになる人なんて絶対にいないから」



強く抱きしめると伊野尾くんは「苦しい…」と俺の背中をぽんぽんと叩いた。
力を少し緩めると顔を上げた伊野尾くんと目が合う。


もう…こんな可愛い上目遣いするような恋人がいるんだから、他に目移りする訳ないでしょ。


涙のあとを指で拭き取ってあげて、頬にキスを落とすと伊野尾くんはぽっと頬を染めた。



「……俺だって伊野尾くんを他の人に取られたらどうしよう！っていっつも考えてるよ？」

「…そうなの？」

「うん、でも…伊野尾くんが他の人好きになっちゃったとしても…俺は手放すつもりないからね」



俺がそう言うと伊野尾くんは「他の奴なんて好きにならないし…」とぼそっと呟く。



「ふはっ、可愛い〜伊野尾くん！」

「……！？なっ、う、うるさい！」


どんっと俺の胸を押して、怒る伊野尾くんはいつも通りのツンツンに戻っている、よかった。


伊野尾くんボロボロに泣いていたからこんな事思うのはちょっとあれだけど…。

ヤキモチ焼いてくれたの少し嬉しい、俺の事、ちゃんと好きなんだなって思うと顔がニヤけそうになってしまう。

…笑ったら伊野尾くん絶対に怒るだろうから堪えたけど。




ふわっといい匂いが鼻を通り抜けて、伊野尾くんを見ると「夕飯…食べよ」とキッチンの方へと向かっていった。

恥ずかしいのか口数が少なくなってしまっているけど…

伊野尾くんが作ったチャーハンを俺がうまいうまい言いながら食べていると、少し表情が和らいだのがわかった。




「…香味ペースト使ったから」

「あ、あぁ〜山田くんがＣＭしてるやつだ！」



これから先も、俺は伊野尾くんとこんな他愛のない話をしながら過ごしていけたらなって思ってるよ。

楽しい事も、悲しい事も全部一緒に乗り越えていきたい。


……と、口にしようと思ったけど今はまだやめたておこう。

なんか、プロポーズみたいだし。

こうゆうことは社会人になってちゃんと伊野尾くんに釣り合う男になってから言いたいしね。


……これからも、俺はずっと一緒にいるつもりだから。


覚悟しててね、伊野尾くん。

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