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うつ伏せになり、枕に顔を押し付けた伊野尾くんはこもった声でつぶやく。
「もう二度とお酒飲まない……」
「伊野尾くん、それ前に酔っ払った時も言ってたよ」
「うるさい!もう飲まない!絶対に!」
ことが終わった頃には窓から僅かに光が差し込み、夜が明けてしまったようだ。
すっかり目が覚めてしまった俺はそのまま起きておく事にしたけど伊野尾くんは眠くないかな?
疲れてる時に求めちゃって申し訳ないな、と少し罪悪感を感じる。
……いや、1番の原因は伊野尾くんが誘ってきたからだけどね???
「別に飲めばいーじゃん!酔ってる伊野尾くん面白いし」
「……………迷惑だろ、こんな時間に起こされて」
ぎゅっと枕を抱きしめた伊野尾くんの顔は見えなかった。
「…迷惑じゃないよ……てか、もっと迷惑かけて欲しいくらい。伊野尾くんにとって俺が安心して接する事ができる存在なんだ〜って実感して、にやにやしたいし。」
「…………きも、お前ほんと変なやつ」
なんか顔みたいな、と唐突に思って枕を奪い取ろうとすると「何すんだよ!!」と伊野尾くんは暴れて、俺の事を蹴ってくる。
「あ!ひどい!!おれ夜中に起こされたのに〜!」
「うっ…」
「ねぇ?顔見せて?」
顔に押し付けられていた枕をもう一度ゆっくりと伊野尾くんの手から取ろうとすると、今度は抵抗をせずに取らせてくれて、想像通りに赤く染まった顔が見えた。
「……もういいでしょ?俺寝るから」
再び布団にボフッと体重を預けた伊野尾くんはふて寝してしまって、疲れたのかすぐに寝息が聞こえてくる。
「伊野尾くん、おやすみ」
ふわふわの頭を撫でて、きっと二日酔いで頭が痛くなるであろう伊野尾くんのために今回は俺が朝食を用意してあげようかな、なんて思いながら部屋を出た。
.
大学四年生になった。
とはいえ、特に変わったことはなく。
就職活動をしなくてはいけないという現実に少々頭を痛めるくらいだ。
「ただいまー」
バイトを終えて家に帰ると、いつもは「おかえりー」と気だるげに言う伊野尾くんの声が聞こえなくて違和感を感じる。
電気ついてるからいるよね?
倒れたりしてたらどうしよう、と思いながらリビングに向かうと伊野尾くんは部屋の隅っこに体操座りをして…なんか、ムスッとした表情だった。
「伊野尾くんいるじゃん、ただいま。体調でも悪い?」
「別に」
うーむ…。
これはご機嫌ななめだな…。
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shootingstarhap(プロフ) - supikaさん、読んでくださってありがとうございます…m(_ _)m自信がないので、もし空いてる時間があったら是非、感想くださいm(_ _)mよろしくお願いします(^^)頑張ります(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました!昇天しちゃいそうですね〜笑笑 お話書き始めたんですね!読ませていただきました(´˘`*)楽しみにしているので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月21日 9時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 番外編読みました(^^)そうだったんですね…!このこと睫擇気鵑知ったら、昇天しち(いますかね?あー…教えてあげたいです(笑)ずっと書き手さんって凄いと思っていましたが、自分も書いてみて、改めて書き手さんって凄いって思いました!また楽しみにしています(^-^) (2020年6月21日 1時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - musicmans5962さん» そうなんですよ!笑 裏設定でずっと考えていたのですがなかなか出すタイミングがなく番外編にしてみました!睫擇気鵑瓩辰舛磴瓩辰舛禊遒屬任靴腓Δ 笑笑 読んでくださってありがとうございました! (2020年6月21日 0時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - きゃあ!もうそうなんですねいのさん。いのさんの方が先に睫擇気鵑卜に落ちてたんですね( ´ ▽ ` )きっとそのことを睫擇気鵑知ったらものすごい喜ぶんだろうなあ( ´∀`)番外編も読めて、めちゃくちゃ嬉しかったです!ありがとうございます。 (2020年6月20日 23時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年5月11日 12時