ありがとう、大好きでした。【ヒソカ】 (ページ16)

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訴えますよページ16

「悪かったからそんな眼で見ないでおくれよ♦️
興奮しちゃうだろ♥️」

「訴えますよ。」

やばい。
一言で言うとこの人やばい。変態だ。
私この会社入って大丈夫だったのかな…。

「冗談だよぉ♥️

ホントのことを言うと、キミは秘書なんだからお客様対応は仕事の一環だろう？」

あ。
本当だ…。

「でも前までいなかったなら別にわざわざ私にだけ何も伝えない必要もない気がしますけど…。」

「お客様対応の練習が必要かなって思って♣️
とりあえずキミがどれくらい出来るか見るために心の準備をさせないように伝えなかったんだよ♦️」

…なんだろう。
社長うさんくさいって言うか、嘘ついてる気がする…？
気のせいかな？

「それじゃあ説明するね☆

うちはお客様が来たらチャイムの代わりにそこの壁にある電話がなるよ♠️

電話に出たら名前と用件を訊いて、お客様を迎えに行って二階にある205って書いた部屋に案内する♣️

そしたら棚にあるコップを出して、部屋にある冷蔵庫からお茶を入れてね♥️

あぁ、そうそう♦️
大抵来るお客様はボクに会いに来てるから、誰が来たのかだけボクに伝えてから案内に行ってね♥️

基本はこのくらいだけど何か質問はあるかい？」

なるほど。
思ったより簡単なんだな。
…って、二階にある？

「あの…、この建物はどこからどこまでがこちらの会社の物なんですか？」

この質問は、失敗だった。

「？

全てうちの物だけど…、昨日も言わなかったかい？」

しまった。
やってしまった。
ツルギさんからどの建物の何階かは聞いていたけどそこまでは聞いてなかった。
どうやって誤魔化す？頭を回せ。
だめだ、もしかしたら昨日と『違う』ことがバレると『私』に迷惑がかかるのかもしれない。
それだけは絶対に避けないと。
きっと『私』は、私と違って幸せなんだから。
私がそれを壊すわけにはいかないんだから。

「す、みません。
昨日は緊張していて、少し上の空だったのかもしれませんね。

以後気を付けます。」

「…いや、別に良いんだよ♦️
ミスは誰にでもあるからね♥️」

誤魔化せた…？
いや、違う。少し疑ってる顔だ。
もうボロは出せないな…。

「ありがとう、ございます。」

その時、壁にある電話が鳴った。