不安 ページ8
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「…分かった。なら、僕の後についてきてほしい。」
君が言うボスの元に案内するよ。 彼はそう言って立ち上がる。私も立とうと体に力を入れると目の前に大きな手が差し出される。
「お手をどうぞ」
柔らかく微笑むジョナサンさんに思わず拍子抜けしてしまう。私が数秒固まっていると察してくれたのか、控えめに手を握られ、そのまま立ち上がらせていただいた。
こんな優しい扱いをボスとドッピオ君以外に受けたことがないので変に緊張してしまう。
「それじゃあ行こうか」
『っ、はい…」
ジョナサンさんの隣を歩くように移動する。
ダニー君は静かに私たちの後をついてくる。本当に頭が良いんだなぁ、なんて実感した。
しかし、それよりも、頭の中を支配するのはボスのことだった。
会ったらなんて言われるのかな。もしお怒りだったらどうしよう。もしかしたら、私は用済みで捨てられるのかな。と、次々に最悪な事態が浮かんでくる。
ボスの元に進む足がなんだか無性に重く感じて。
なんだか息苦しくて。
次第に歩く速度が下がっていく。
そんな私の歩幅にジョナサンさんは無言で合わせてくれる。ゆっくり、ゆっくりと確実にボスの元へと向かう。
ジョナ「ついたよ。ここに君のボスがいるよ。」
『ここに…』
私は目の前に広がる大きくも、小さくも無い普通の家を見上げた。日本の詳しい住宅は知らないが、東洋と西洋が混ざった様な不思議な感覚のする外観だった。
表札の様なものには[荒木荘]と書かれている。
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ぱみ(プロフ) - ありがとうございます…!!頑張っていきます!! (12月22日 23時) (レス) id: 987c51e0ad (このIDを非表示/違反報告)
兎(プロフ) - 応援してます!頑張ってください!! (12月22日 22時) (レス) id: 0558b064c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱみ(プロフ) - わわ…こちらこそグラッツェです✨これから頑張ります!! (12月22日 18時) (レス) id: 987c51e0ad (このIDを非表示/違反報告)
推しの命は私の命 - 荒木荘✨これからの展開が楽しみです!供給をグラッツェ! (12月22日 17時) (レス) @page3 id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱみ | 作成日時:2023年12月22日 15時