episode148 ページ28
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｢…人の心配より、自分は大丈夫なのか？｣
松本の正面に座って、心配そうに櫻井は眉を下げる。
櫻井が聞いているのは、受験勉強のことだ。
つい最近受験することを決めた松本を、櫻井はすごく応援してくれている。
それを知っているから、松本は余計に勉強を頑張っているのだ。
だから、櫻井に心配はかけられない。
｢大丈夫だよ｣
｢……そうか？｣
｢うん｣
(本当はそうでもないけど…)
行く大学も決め、松本はひたすら勉強していた。
自分の偏差値よりも少し高いところを目指してはいるのだが。
(俺、大丈夫なのかな…)
日に日に増す不安は募る一方。
不安を打ち消すように勉強をして、最近寝不足気味になっている。
｢………はあ……｣
櫻井の顔を見るだけで、癒されるは癒されるんだけれども。
(………触ったら、怒るかな……)
図書室で2人きりとはいえ、学校という場でスキンシップをとろうとすれば櫻井は顔を真っ赤にして怒る。
その反応もすごく可愛いのだけど、櫻井に触れられないのはつらい。
休みの日に堂々とデート出来るわけでもないし。
(早く卒業してえ……)
ひとりで悶々と考えている松本を見て、櫻井は声をかけた。
｢………うち来るか？｣
｢……………えっ！？｣
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2015年8月18日 22時
