episode138 ページ18
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｢あれ？めずらしいな｣
ひとときのコーヒータイムを楽しんでいる大野のもとに、ひとりの生徒がやって来た。
手ぶらでふらふらとやって来た二宮。
やって来るなり大野の上にどかっと座ってご機嫌ななめな様子。
｢ニノ、どうした〜？｣
そんな二宮に戸惑うこともなく、大野は頭をなでてふにゃふにゃと笑う。
二宮も二宮で、当たり前のように体をあずけている。
｢……なに笑ってんのおじさん｣
｢別に〜｣
二宮が1年生のときから大野は知っているが、こんなふうに甘えてくるのは稀なこと。
1年生のときは体が弱くて、よく保健室に来ていた。
そんな二宮をいつも看病しているうちに、すっかり仲良くなったのだ。
スキンシップが多い生徒ではあったが、甘えてくるときは何かあったときだと、この3年間でわかった。
｢ボディーガードとは一緒じゃねーのか？｣
｢……いつも一緒なわけじゃないし｣
嘘つくなよ、なんて思ったけど大野は口にしない。
大野が知っている限りでは、二宮と相葉はいつも一緒にいる。
二宮が保健室で休んでいるときだって、迎えに来るのはいつも相葉だった。
たまに松本も一緒に来ていたが、相葉は欠かさず来ていた。
二宮に好意をもっていることは一目瞭然。
｢お昼は？食べないのか？｣
｢いらない｣
｢あそ｣
ただ黙って大野にもたれかかる二宮。
大野も特に問いたださずに黙って受け入れた。
(相葉となんかあったのは確かだよな…)
強がってはいるが、二宮の目が腫れていることに大野は気づいている。
(泣かされたか？泣いたのか？)
相葉に彼女でもできたか、それとも相葉と喧嘩したのか。
(わかんねーな……)
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2015年8月18日 22時
