だって好きだから07 ページ39
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「俺、翔くんがストーカーされてること知ってたんだ」
「…え？」
松本の返答は、俺が思っているものとは全くちがうものだった。
ストーカーされてること知ってたって、俺だれにも言ってないのに。
「翔くんの家の前まで行ったことがあったんだけど、そのときポストの前で固まってる翔くん見て…
学校でもずっと暗い顔してるから、もしかしたらって思って…」
「じゃあ、ストーカーされてるのかもって思って声かけてくれたってこと…？」
「ごめん、翔くんの弱みにつけ込むみたいな形になって…」
「いや、え、それはぜんぜん…でも、なんで男って知ってたの…？」
｢知ってたわけじゃないよ。
翔くん、学校でも女の子より男にモテてるの知らないでしょ。
翔くんのこと好きな俺からしたら、ストーカーは男だってすぐに感じたよ｣
｢え、そうなの…｣
｢うん、翔くんは男にモテモテなの｣
ほんとは松本がストーカーなんじゃないかと思っていた俺にとっては予想外すぎる答えに呆気に取られた。
俺はなんて早とちりを…。
疑ってしまったことが申し訳なさ過ぎて心から謝る。
「ごめん、松本…、まじごめん…」
「え、それ俺の告白に対する答え？」
「え？告白……あっ」
そういえばサラッと好きって言った？
男にモテモテとか聞こえたけど。
松本の潔白が証明されて安心したから、すっかり聞き流してしまった。
「ち、ちがうちがう。それに関してはごめんじゃない」
「ほんと？それはつまり？」
「…俺も、好きってこと」
そう伝えると、本当に嬉しそうに「やったー！」と叫んだ松本。
そんな松本に思わず笑う。
松本は優しいままの松本だった。
馬鹿だ、少しでも松本を疑った俺は。
謝罪の意味も込めて、松本の背中に手を回す。
「…ありがとう松本。ストーカーから守ってくれて…」
「……当然でしょ。好きな子を守るのは」
たった1週間の出来事だったけど、それはそれは濃密な週で。
見つけてしまった大好きな人とのこれからの日々に胸を踊らせた。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
