君のわがままを許すのは05 ページ31
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｢翔くん…？｣
｢…………｣
｢…泣いてるの？｣
松本が俺の顔を覗き込む。
泣いてたのがバレたのかと思って、とっさに顔を隠すけど。
松本は力強く俺の腕を掴んだ。
｢どうしたの？なんで泣いてるの？｣
本当に心配そうに聞く松本に、こんなときは鈍感な松本に、なんで分からないんだという気持ちがこみ上げる。
俺のことが好きなら、分かるはずだろ？
｢…おまえが、帰ってこないから……｣
｢え？昨日ちゃんと帰ってきたよ。翔くん寝てたから…｣
｢嘘だ。俺遅くまで起きてたもん…｣
｢起きて待ってたの…？｣
言ってしまってから気づいても、言葉は取り消せない。
俺が松本のために起きてたなんて、言いたくなかったのに。
だけど、言いたいことは溢れ出てくる。
｢おまえが、合コン行くとか言うから…合コンには、優しくて気の利く…俺とは真逆みたいなかわいい子がいるんだろ｣
｢………まあ…｣
｢俺みたいなワガママなやつは嫌になったんだろ｣
拭ったはずの涙が、また溢れてきた。
松本は掴んでいた俺の腕を降ろして、小さく息を吐く。
それがため息に聞こえて。
俺は今、なんてめんどくさいことを松本にぶつけているんだろうかと思った。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
