君のわがままを許すのは03 ページ29
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｢別に行きたいわけじゃないけど、どーしても来てほしいんだって｣
｢だから行けばいいだろ｣
｢いいの？｣
｢なんだよ、行きたいんじゃねえか｣
イライラしている俺とは対照的にいつも通りな松本。
それがまた俺をイラつかせる。
てかなんでそんなことを恋人に確認してくるわけ？
俺をイラつかせたくて聞いているとしか思えない。
｢そうじゃなくて。翔くんはいいの？ってこと｣
｢なにが？｣
｢俺が合コンに行っても平気なの？｣
松本の試してくるような聞き方に、カーッと怒りが込み上げてくるのがわかる。
そんなこと聞いて、俺になんて言ってほしいんだよ。
俺がおまえの望むような言葉を言うわけがないだろ。
｢俺には関係ない！｣
俺がぶつけるようにそう言うと、松本はあっそ、とやけにあっさり引き下がった。
それから出かける支度をし始めて、買い物にでも行くような雰囲気でいってきまーすって出ていってしまった。
取り残された俺。
あっそ、ってなんだよ…。
松本に言われたことないような冷たい返答に、心臓がバクバクいう。
冷たいのか、いつも通りなのか分からなくて不安が募る。
いつもみたいに、俺の理不尽に笑いかけてくれなかった。
そのままいなくなっちゃった。
松本がいなくなる恐怖を感じながらも、俺は追いかけることをしなかった。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
