君のわがままを許すのは01 ページ27
なんでもしちゃうMさん×暴君Sさん
｢遅い！｣
俺の部屋に悪びれもせずに入ってきた松本潤。
一応、俺の恋人で、同じ学部の男である。
ごめんごめんと言いながら、手土産を差し出す松本。
これを買う時間があるなら時間通りに来いって話だ。
｢だいたいおまえとなりに住んでるのに遅刻ってどういうこと？｣
｢家デートなのに時間にきびしー｣
｢俺を待たせたことに怒ってんの｣
｢待たせてごめんね｣
素直に謝る松本にこれ以上イライラをぶつけるようなことはしないけど。
もういい、と立ち上がろうとすると松本が笑顔で俺を抱きしめる。
｢俺に早く会いたかったんだよね｣
｢は？｣
｢俺も会いたかったよ｣
そう言って、ちゅっとキスされると怒る気も失せるというか。
まあ正直、そんなに怒ってもいないのだけど。
松本を前にすると、なぜかいつも俺はワガママになってしまう。
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ーーーーーーー
俺をワガママにさせる松本は、それはそれは俺に尽くす男だった。
俺があれが食べたいといえば作ってくれるし、これが欲しいと言えば買ってくれた。
もともとワガママな俺だけど、松本と付き合い始めてからは加速しているのは自覚していた。
｢翔くん今日は何食べたい？｣
｢…カキフライ｣
｢カキフライ……分かった。がんばる｣
カキフライなんて家で食べるものじゃないだろうと思いつつ、松本は嫌な顔せずに承諾。
本当に作る気なのだろうか。
買い物に出かける準備を始めている松本。
｢……牡蠣買いに行くの？｣
｢うん｣
｢そう…。いってらっしゃい｣
一緒に行こうともしない俺に、松本は笑顔でいってきますと答えた。
松本は不思議だ。
女から尽くされそうな見た目して、実際は男に尽くしているなんて。
こんな俺のどこが好きになったんだろうか。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
