I wish 06 ページ20
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｢はい翔くん、マフラー｣
｢あー、ありがとう。ぜんぜん気づかなかったわ｣
学校終わり、松本と一緒に家にやってきた櫻井。
自分がオオカミに狙われているヒツジだとは思ってもいない。
「ごはんたべてくでしょ」
「え、いいの...？」
「うん、もちろん」
「実はごはん目当てだったりもする」
えへへって笑った櫻井に松本は胸が高鳴る。
櫻井が好きだという貝を手に入れたのもこんな日のため。
予想通り、櫻井は松本が振る舞った料理をおいしいおいしいと食べた櫻井。
こうして徐々に徐々に櫻井は松本に餌付けされていくのだった。
「なんで松本はこんな料理できるの？絶対モテるでしょ」
「まあね、モテる方かもね」
「やっぱり。顔もかっこいいもんな」
「えっ？ほんと？」
櫻井からかっこいいと言われて思わず喜ぶ松本。
グイッと顔を近づけて、ほんとに？と聞きかえす。
男とわかっていても、櫻井も少しドキッとする。
「そりゃ、松本は誰から見てもかっこいいよ」
「ほんとに！？翔くんに言われるとすごく嬉しい」
「なんで...みんな思ってるよ」
「翔くんに言われることがうれしいの」
そう言って、本当に嬉しそうに笑う松本に、櫻井は不思議な感覚を覚える。
こんな男前が、自分の褒め言葉で喜ぶなんて。
櫻井がふふっと笑っていると、カバンの中のスマホが鳴った。
松本は出ていいよ、と促す。
むしろ誰からの電話かどうかも知りたいし。
「もしもし？......あー、今から...？」
櫻井の返答から、電話の内容はお誘いだろう。
気まずそうにちらっと松本を見た。
櫻井に、気にしないで行っていいよ、と口パクで伝えようとしたとき。
｢しおり、今どこなの？｣
櫻井の口から、今井の名前が呼ばれて松本は口を閉じた。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
