I wish 05 ページ19
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｢翔、飲み会の日いつの間に帰ったの？｣
次の学校の日、いつものごとく今井とともにいる櫻井。
今井の質問に素直に答える。
｢松潤が介抱してくれて、泊まった｣
｢へえ。松本くんと仲良かったっけ？｣
｢んー、わりと仲良くなったかな｣
どこの女に持ち帰られたのかとモヤモヤしていた今井は、相手が松本だと知って安心した。
(男なら別に気にすることないか…)
その判断が大きな過ちということにはまだ気がつかない今井。
今の時代、ライバルが同性とは限らないのだ。
｢あ、松潤｣
入口から階段状に下に向かう講義室の窓側に松本を見つけた櫻井は、名前を呼ぶ。
櫻井に名前を呼ばれた松本はすぐに振り返り、満面の笑みで櫻井に手を振る。
そこまで仲良しではなかった2人。
しかし一晩にして、松本は櫻井との距離を縮めた。
｢しょーくん、俺の家にマフラー忘れてたよ｣
櫻井はそういえばと思い出した様子。
離れたところにいる櫻井へ、わざと周りの人たちにも聞こえるように大きな声で話す松本。
方法はちがっても、松本も今井もやっていることは同じなのだ。
周りへのアピール、牽制。
櫻井は自分の家に泊まりました、ということを周りへ伝えているのだ。
ただし、男がやるのと女がやるのでは受け取り手の印象も異なる。
｢櫻井くんと松本くんって仲良かったんだね｣
周りの女子がヒソヒソと話す。
松本は櫻井の元まで行き、今井のとなりで櫻井と話す。
｢マフラー持ってくるの忘れちゃった。翔くん、取りに来てくれる？｣
｢あ、うん。今日行けるよ｣
わざとマフラーを持ってこなかった松本。
櫻井の返答に、にっこり笑った。
ライバルが着実に櫻井に近づいてきていることに、今井は気づく気配もない。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
