episode28 ページ28
.
｢じゃあ、2人ともこのことは内密に｣
潤くんと翔ちゃんと1時間くらい話した後、俺はナンパされて今日はこの若いお兄さんと夜を共にすることにした。
潤くんはニノやるじゃん、なんて言いながら。
翔ちゃんは納得がいかないような顔で。
好きでもない人と寝るなってそんな顔。
やめてよ、相葉くんを思い出しちゃうから。
少しほろ酔いでいい気になりながら、お店を出てお兄さんとホテルに向かう。
今日のお兄さんは目が細くて色が白くてモデルみたいなスタイル。
金髪の髪が街灯に照らされて眩しいな…。
足元がおぼつかない俺を見てお兄さんは笑いながら肩を組んできた。
意外と酔っちゃったのかな…。
もともとお酒は強くないからあんまり飲まないようにしているのに。
ちゃんと勃つといいけど…。
背の高いお兄さんを見上げながらおしゃべりしている間にラブホに着いた。
ああ、久しぶりに来たな。
なんだか懐かしい気分。
お兄さんに支えられながらホテルに入ろうとしたとき。
｢───────ニノ！！｣
耳を疑った。
え…やだ…なに、なんでここに…
なんで相葉くんがいるの……
お酒のせいか思考も完全に止まってしまって、訳が分からなかった。
目の前には息を切らした相葉くんがいて、肩に回っていたお兄さんの腕を振り払った。
｢何やってんだよ！｣
｢へ……あ…なんで相葉くん……｣
｢翔ちゃんから連絡来て…ニノがここら辺にいるからって｣
ああ、最悪。
お節介で意地悪な翔ちゃん。
どうして余計なことしてくれるのかな。
やっぱり言わなきゃよかった。
翔ちゃんのことを心で恨みながら、相葉くんへの言い訳を考える。
｢……ニノ、行くよ｣
｢へ……あ、ちょっと…｣
相葉くんに手を強くひかれて、呆然としているお兄さんを置いてきてしまった。
ああ、今度謝らなきゃ。
でも連絡先聞いてなかったな。
相葉くんは道路でタクシーを拾って、運転手さんに俺の家までの行き先を告げた。
相葉くん、もう何回も俺の家来てるから覚えたのかな。
タクシーに乗ると手は離れて、無言の車内はとても気まずいものだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 414人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2019年3月17日 20時
