ぐりんぴーす。6【M×S】 (ページ37)

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｢風斗、教室までは来なくても大丈夫だよ...目立つし｣

初めて2人で歩く帰り道。

となりには風斗。

制服姿はとても不思議な気がして、今目の前に起こっている事だと思えなかった。

｢翔くんは松本さんに見られるのが嫌なんでしょ｣

｢う......ん、それもあるけど｣

風斗にはなんでもお見通しらしい。

いつも俺の心を見ているかのよう。

浅はかな俺の心を。

松本への気持ちを失くしたいと思いながら、

松本に嫌われたくないと、心では思っている。

そもそも俺は、松本やニノが言うように素直でいい子なんかじゃない。

不器用で容量の悪い、馬鹿なヤツ。

ひとつのことに一生懸命になって、大事なことを見落としてしまう。

昔からそういうやつだった。

中学校のときは、勉強に意識を向けすぎて周りへの気配りができなかった。

学んだはずなのに。

俺はまた同じ過ちを繰り返す愚か者。

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