episode226 ページ26
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さ、くらい...？
暗い中、街灯に照らされた2人。
まるで何かの劇のようだと思った。
風斗に手を握られて、驚いたようにこちらを向く櫻井。
(なんだよこれ...)
お腹から、こみ上げる何かがあった。
ぱっと手を離した櫻井。
｢ま、松本...ちが...｣
｢...ちがわねーじゃん｣
ぼそっとつぶやいた声は、櫻井に聞こえたらしい。
きゅっと眉を下げた。
なんでそんな顔するの。
傷ついてるのは俺の方だよ。
｢...松本、聞いて...お願い｣
少し俺にビビってるいるように見えた。
それが俺をイラッとさせて、チクッと胸を痛ませる。
櫻井は学校でも、楽しそうに風斗の話をしてたよね。
風斗とは出会って短いのにさ、なんで毎日のように一緒にいるの。
風斗には緊張しないの？
自分から声もかけられない櫻井なのに。
風斗には積極的に話したりするの？
(......... やだな...)
そんな必死な顔されたら、俺だって不安になるよ。
｢翔くん、俺帰るね｣
後ろから、風斗が櫻井に話しかけた。
翔くんって呼び方も腹が立つ。
櫻井が風斗って、呼ぶのも。
どちらも、俺にはないもの。
風斗に、黒い感情が湧き上がる。
(...嫉妬だ...)
嫉妬してる、ものすごく。
風斗に突っかかられたら、抑えきれなかったかも。
風斗がいなくなって2人きり。
櫻井にプレゼントするはずだったネックレスを後ろに隠した。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年6月4日 20時
