ぐりんぴーす。6【M×S】 (ページ23)

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気づけば21:00時前。

補導されるギリギリの時間になっていた。

風斗の好きなようにどこかへ行って、好きなことをして。

ずっと受け身でいることができて楽だった。

女の子相手だったら男が決めないといけないことが多くて大変だから。

風斗の決断力には助かった。

風斗と並んで夜道を歩く。

風斗は前と同様に、近くまで送るって言って聞かなくて。

これではほんとにデートみたいになってしまう。

断っても聞かないことは分かっていたから何も言わない。

｢翔くんはさ、松本さんのどこがいいの？｣

｢え、｣

｢俺、けっこう負けてないと思うんだけど｣

となりを歩きながら風斗は聞く。

気づいたけど、風斗はこういう質問のときに俺の顔を見ない。

告白するときは、あんなまっすぐに見つめてきたのに。

松本の話になると途端に。

負けてるとか、勝ってるとか。

好きな気持ちは勝ち負けじゃないから。

松本のここがこうで好きで、風斗のここがダメ、なんてあるわけじゃない。

ダメなんじゃなくて、松本がいい。

それだけのこと。

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