episode202 ページ2
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一気に櫻井を責め立てる言葉が溢れて、もう少しで言ってしまうとこだった。
ニノが止めてくれなきゃ危なかった。
櫻井を言いたい放題に責めて、櫻井は何も言えなくて押し黙っちゃって。
そうなったら俺は後悔して死にたくなるとこだっただろう。
別に櫻井が悪いことをしているわけではない。
ふーとってやつが絡んできたのは間違いないけど。
櫻井も嫌な顔をしていたわけではないからきっと知り合い以上友達未満ってとこだろうか。
そんな人に嫉妬して櫻井を傷つけるわけにはいかない。
なにより、人付き合いを束縛するなんてのは最低だ。
俺よりあいつを優先するのか、とか俺以外にいい顔するな、とか。
そんな恋人嫌になるだろう。
俺もそんなことされたら嫌だ。
だけれど、どうしようもない気持ちが溢れてしまいそうだった。
目の前の櫻井を抱きしめて、どこにも行かせたくない。
俺だけ見ていてほしい。
(...ときどき自分が怖くなる)
こんなにも嫉妬深い人間だとは思いもしなかった。
櫻井のとなりに座って野菜ジュースを飲む。
糖分を摂れば少しは心も安らぐだろうか。
｢......松本...その...｣
｢なに...？｣
櫻井が重そうな口を開いた。
怖いな、変なこと言わないでよ。
櫻井のもとに男があらわれるときはろくなことがない。
大野さんのときも、翼のときも。
今度はふーとってやつかよ。
｢...怒ってる？｣
不安そうに、俺を見上げてきた櫻井。
...ずるいな。
そんな顔しちゃって、俺が何も言えなくなるのに。
無意識でやるなんてさ。
櫻井が不安になっていると思うとすぐにでも安心させてあげたくなる。
｢...怒ってないよ｣
机の下で、櫻井の手を握る。
そしたらちょっと、安心したように笑った。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年6月4日 20時
