episode231 ページ32
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｢相葉くん、ニノになんかした？｣
学校に着くなり、席についた相葉の元に松本がやってきた。
二宮になにか？
何もしていないのだけれど。
全く見に覚えのないことを言われて、相葉は困ってしまう。
｢してないよ｣
｢本当に？ニノ、なんか普通なんだけど変なんだよな｣
二宮に目をやった松本。
二宮はいつも通り参考書を開いて勉強していて変わった様子はない。
何が変だというのだろうか。
｢なんていうかさ、笑顔貼り付けてる感じだよ｣
それは二宮が何かあったときのサインだ。
二宮は何かあっても絶対に人に言わないし、態度にも出さないからわかりにくい。
でも何かあったときには上手な作り笑いも下手くそになる。
それが唯一のサイン。
松本が言うのだからきっと当たっているのだろう。
｢俺なにもしてないよ...。俺が原因じゃないんじゃないの？｣
不思議そうな相葉に、松本はそんなわけないじゃんと返す。
｢ニノの悩みの種なんてほぼ相葉くんなんだから｣
｢え、俺？｣
そう言われて、意味が分からないほど相葉は鈍感ではない。
そしてそう言われて自惚れないほど、相葉は大人じゃない。
｢ニノの悩みを解決できるのも、相葉くんだけだよ｣
微笑んで、松本は自分の席へと戻った。
二宮が何か悩んでいるのなら、自分が解決してあげたい。
でも自分が悩みの種ならば二宮は絶対に悩みを打ち明けてはくれないだろう。
(どうすればいいのかな)
二宮はいつになったら、完全に心を開いてくれるのだろう。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2015年11月1日 21時
