それは舞い散る桜のように＊6 (ページ4)

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｢何もないって顔じゃないけどな...｣

｢.........｣

ぎゅって眉を下げた櫻井。

やはりそうだ。

何かがあったのは明確。

でも櫻井は話そうとしないから、聞かない方がいいのだろうと思って大野は何も言わなかった。

｢もう授業ないなら寝てていいぞ｣

｢ありがと...｣

力なく笑った櫻井。

櫻井のぼさぼさな髪の毛をひとなでして、大野がカーテンを閉めようとしたとき。

｢智くん...｣

｢ん？｣

｢ちょっとだけ、握っててもらっていい...？｣

そういって、大野の手を握りしめた櫻井。

櫻井の行動に、大野は驚いた。

スキンシップもとらず甘えることなんて滅多にない櫻井が、大野に甘えている。

どうして自分なのか。

(松潤には甘えられていないんだろうな...)

｢またひとりで抱え込んで...｣

大野のささやきは、眠っている櫻井には届かなかった。

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