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またこの鬱陶しい季節



毎日毎日、桜が雨みたいに降り注ぐ







“最強”になった


それからは同じことの繰り返し

気づけば卒業、笑える






「とっとと荷物をまとめて出ていけ」




って

こっちに目もくれず呪骸チクチクしながら言われた





手厳しいよな

そりゃあ迷惑しかかけてないしかわいくもないだろうけど





結局


俺はなにも成し遂げられなかった


何者にもなれなかった




“最強”にはなれたかもしれないけど

それでなにが変わったってこともない







「五条、捗ってる?」




「なんだ、硝子か」


「んーまぁぼちぼち」



「私のとこは終わったから、手伝ってやろうか」




「え、いいの」


「……なんか企んでない?」



「そっかそっか、悟くんは1人でできるもんねえ」




「すみませんでした、手伝ってください」




「5カートンな」


「硝子さん肺を炭にするつもり?」



















「意外と人間っぽい部屋だね」




「人間っぽいってなに?」




「自分以外興味なさそうなのに」

「昔の写真とか、お土産とか」


「律儀に飾っちゃって」





「悪かったな、思い出を大切にするタイプで」




「いやひねくれすぎ、めんどくさいな」

「誰も悪いとか言ってないよ」




「俺、不器用だから」


「知ってる」


「…というかクズでは?」



「ひどいな」


「まぁその、不器用だから」


「俺が大事にしたい人はちゃんとそばにおいておく、そーゆーこと」







「……Aも?」



「この写真には写ってる、あの子が」









「わからない」



あの一件から



俺の中での境界が滲んで、ぐらつきはじめた





「傑も、縣もいたあの頃は」


「確かに楽しかった」




かけがえのない青春だった




「…五条」


「これ、なんかある」



「写真立ての裏、なんか」




「…貸して」




無機質なただのフレームの裏


ちいさく、ちいさく折り畳まれた紙







「傑だ」









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しき(プロフ) - 神作すぎる (2023年4月9日 0時) (レス) @page50 id: 3f65d643db (このIDを非表示/違反報告)
haruk1204(プロフ) - 妄想小説っていう類には収まらない話だから全呪術廻戦ファンは読んで見て欲しい、、、何回読んでも飽きません。お願いですから永遠に削除しないでください。 (2022年12月3日 17時) (レス) @page50 id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
- 素敵でした。七海の、陽だまりよりも暗闇が似合いそう、と言う形容が記憶によく残りました。また読み直そうと思います。 (2022年6月14日 1時) (レス) @page50 id: b420da21f1 (このIDを非表示/違反報告)
扉子(プロフ) - 那乃さん» コメントありがとうございます。この子を象徴とするものは作らずに話を書いたためイメソンなど教えて頂けるとすごく嬉しいです。ありがとうございました。 (2021年6月13日 23時) (レス) id: 655d1d8ce1 (このIDを非表示/違反報告)
那乃(プロフ) - 何故かこの子には「春、プールサイドの気象予報士」という歌が合うと思った。 (2021年6月5日 21時) (レス) id: 4d924b4f2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:扉子 | 作成日時:2020年12月10日 23時

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