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*1話 ページ1
明治1880年9月9日。九重家の一人娘として私「A」は、日本人離れした真っ白な髪に紅色の瞳を持って産まれてきた。
「美しい」
と、褒める者がいれば
「気味が悪い」
と避ける者もいた。
だから、私は普通ではないこの姿が憎く…大嫌いだった。出来る事ならこの髪を全て切り落とし、両目を抉って海へ身を投げてしまいたいくらいに。
「お父様、お母様…」
私の亡き両親は、普通の黒髪に茶の目…どうして私だけがこんな姿で産まれてきたのだろうか。
そう思いながら私は、机に散らばるいくつもの恋文に目を通していた。何故かは分からないが、こんな私に恋文を送る殿方は山のようにいた。
それに私は明日、二十歳を迎える。そうなれば、九重家のしきたりで婿となる殿方を探さなければならなかった。
「一体、私はどうなってしまうのだろうか」
そう思いながら、私は部屋の明かりを消して布団に入った。
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作者名:神霧 狼騎 x他2人 | 作成日時:2019年2月19日 13時