たとえば私が天女になったりして【忍たま乱太郎】 (ページ6)

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妖術の段ページ6

＊

暇だなぁなんて思いながら押し入れを開けてみた。
そこにはまあ想像通り布団があった。

昼寝したいけどいつシナ先生が来るかわからない…寝ている姿を見られるのは恥ずかしいからやめておこう。

ソッと押し入れを閉じようとした時下の隅の方に何かが落ちているのが見えた。

『なんだろ』

まるで隠すようにおかれたソレに手を伸ばし、指先がソレに触れた途端……

＿＿＿ズキンｯ

頭の中に変な情報が流れた

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

紅(べに)
※天女がつけて一番最初に目が合った異性を惚れさせる。
紅を落とすと効果は消えるが上から塗り直すと効果は持続し、また一番最初に目が合った異性を惚れさせる。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

『……なに、いまの？』

私は咄嗟に手をソレから引いた。

一瞬で送られたその情報はあるひとつの答えに辿りついた

きっとこれが先代の天女が使っていた妖術の正体。

誰か来るっ

ﾋﾟｼｬﾝ

スっスっと足を滑らせるような足音が近づいてくるのを感じ、慌てて押し入れを閉めた。

部屋の障子に人のシルエットが映る。

「失礼します」

そう言い障子を開けたのはシナ先生。

押し入れの前に座り込んでいる私を不審に思い「どうかされましたか？」とシナ先生が聞いてきた。
『なんでもないです！』慌てて立ち上がりシナ先生の元へ行き『もう夕餉のお時間ですか？』と話をそらすようにきくと、

山本「いえ、お召し物を持ってまいりました」

そう言うと、白色に水色の小さな花が散りばめられた可愛らしい着物をくれた。

山本「いまの姿では目立ちますので」

『ありがとうございます！』

かわいい着物にわたしは浮かれた。
そんな私を見て少し笑ってくれたシナ先生。

山本「着方は……」

『多分わかります！』

そう言うとシナ先生は少し驚いた顔をした。

『どうしたのですか？』

山本「いえ、今までの天女様達は着方がわからないと言っていたので……」

なるほど…まあそれは仕方ないと思う。

『私のお母さんが花道の先生だったので私もよく着物を着て習っていたので……』そう言うとシナ先生は納得してくれた。
「では夕餉の時はそのお召し物でお願いします」と言い去っていった。