たとえば私が天女になったりして【忍たま乱太郎】 (ページ37)

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忍術学園へ帰ろうの段ページ37

＊

不破先輩が言うには

鉢屋先輩はわざと私を動けない状況にして
おじいさんを私から離した。

5年生が居たのは試験だったから…らしい。

ここらへんでよく人攫いがおきてるからその犯人を一人残らず捕まえなきゃいけなかったんだって。

学園を出た時からあとを着いて来ていたそう。

そして私はその試験のために囮に使われたと…

『ｯ…ぃ、痛い…』

善法寺「もう少しで終わるから我慢してくれ」

私の二つの傷口にいつも持ち歩いてるという塗り薬を塗ってくれてる伊作先輩…優しい手つきなんだけど痛いものは痛い…

チリッと痛みを感じる度に足がﾋﾟｸﾘと動いてしまう。

『ん、ぅ…』

痛いと言うのを我慢しようと唇を噛むと

伊作先輩は「Aなんかいかがわしいから普通に痛いって言ってくれ」と顔を赤くして言われてしまった。

なんかごめんなさい…。

それから包帯を巻いてもらっていると、久々知先輩達が帰ってきた。

おじいさんは捕まえてこの時代の警察に引き渡したと。

眠っているおじいさんの仲間達もあとで回収に来るらしい…

尾浜「さて、じゃあ帰ろうか」

善法寺「A、立てる？」

さし伸ばされた手を掴んでみるけど

『立てない…』

善法寺「まだ痛む？」

痛いのは痛いけど…

そうじゃなくて

『腰が抜けちゃった』

伊作先輩も私も

私がこの世界に来たばかり時のことを

思い出してﾌﾟｯと吹き出した。

結局私は伊作先輩におんぶして帰ってもらった。

暖かい大きな背中…

程よくゆれて気持ちがいい…

なんだか眠くなってきちゃった。

薄くなる意識のなか

善法寺「ところでなんで兵助は濡れているんだ？」

久々知「川に落ちてしまいまして…」

そんな会話がきこえた。