○ 会長の過去 4 ページ43
四『優斗くん…、？』
優『…ん？』
四『…ほんとに好きなの…？Aちゃんの事…。』
優『俺は…、俺は…。…好き、じゃねぇよ、あんな奴。…ただちょっとノリっていうか、さ！』
“好きじゃねぇよ、あんな奴”
その言葉だけが頭の中をぐるぐるして
泣きそうで、泣きたいのに。
足は勝手に教室から離れることを選んでしまった。
少しだけ冷静さを取り戻したところでやっと気づいた。
「…わたし、遊ばれてたんだ…。」
中二の秋、私は幸せは長く続くものではないと、知った。
・
それから、私は “優斗に会いたくないから” と
謎に学校を休んでいた。
ろくに食事も取らなくなって、一食抜いてもいいどころか三食抜き始めた頃、
心配した父と母が私に無理矢理点滴を入れた。
生気のない目。
そんなの自分でも分かった。
病室から綺麗に見える桜の木は前に優斗と見たもの。
こんな毎日ならいらない。
もうお願いだから私を楽にして…。
点滴のチューブを自力で外して、ふらつく足で
屋上まで進む。
「……はぁ、はぁ、…、」
ろくに栄養もとっていなかった私にとって階段をのぼるのは
すごく体力を使ったらしい。
扉を開ける直前で、ぺたり、と座り込んでしまった。
優『…っ、！A…！！』
後ろから声がする。
やめて。来ないで。
今、あなたには一番会いたくなかった。
「…優………斗、」
全ての事情を聞いたらしい彼は、私が名前を呼ぶと、苦しそうに顔を歪めた。
それでも私を軽々と抱き上げて一歩一歩階段を降りていく。
声をかけられた時、本当は “嫌だ” と突き飛ばしてやりたかった。
どんな嫌味を言ってやろうかと考えた。
でも、病室の少し手前、私を抱え直しながら言った、
優『……ごめん。』
その一言だけが胸に引っかかったように残った。
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ら む ね(プロフ) - rizuさん» こちらこそコメントありがとうございます！！嬉しいです〜(><) (2017年9月17日 16時) (
レス) id: 4f3ad6818f (このIDを非表示/違反報告)
rizu(プロフ) - 更新ありがとうございます楽しみにしてました！ (2017年9月17日 16時) (レス) id: 073a87d9cb (このIDを非表示/違反報告)
ら む ね(プロフ) - milkさん» ありがとうございます！！そう言っていただけて、本当に嬉しいです…(T_T) 更新頑張ります！！ (2017年5月19日 0時) (レス) id: 4f3ad6818f (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - 続きが気になります！ がんばってください！応援してます。 (2017年5月18日 20時) (レス) id: 171e64a391 (このIDを非表示/違反報告)
ら む ね(プロフ) - まちゅだとまとさん» 『恋する永瀬』読ませていただきました！長妻くんのキャラが引き立っていて、何より、廉ちゃんがひたすら可愛かったです（笑）『絶対服従。』をこれからもよろしくお願いします！ (2017年3月30日 21時) (レス) id: 4f3ad6818f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね | 作成日時：2017年3月20日 11時
