大嫌いなひと【不死川実弥】

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『い、まさら好きなんて言うの…？』






恐怖に怯え震えてしまう声でそう言った






『散々、酷いことしてきたのに……？』





首を絞められたあの日のトラウマはこの先も消えるはずなんてないのに






「それはおめェが悪い」






声のトーンを変えることなく彼は言った

そうしてゆっくり話しはじめる







「お前が誰にでも愛嬌振りまくから、仲良くなろうとするから、俺以外のやつに優しくするから」








『…………』







「だからお前を1人にしてやったんだよ、俺以外お前の視界に映らないようにな」






『…………』







「なのになんだァ？市松模様のあの餓鬼は」





彼の口から出た言葉に反応する
市松模様って…炭治郎の羽織のこと？


そんな私の反応に彼はつまんなそうに眉間にシワをよせた







「Aがぶすじゃないとか言われなくても俺が1番分かってんだよ。
呼吸の練習だって誰よりもしてんだろ、こんなほっせぇ身体で。
庚まで上がってることも本当は知ってた
お前のことなんて誰よりも俺が1番知ってんだよ」




「なのに、あとから出てきたあの餓鬼が知ってるかのように口開きやがって…」






『…………』








「お前、なんで俺がここ最近会いにいかなかったかわかるか？」









「……私が…1人じゃなくなったから…？」





「…ちげぇ、お前を試したんだよ」





『………？…』





「俺がいなかったらどんな風になるのか気になったからわざとほっといてやった。そしたらまさかな


あの日以外にもあの餓鬼に会ってたなんてなぁ」






『…意味わかんない…』






「やっぱりあの時無理矢理にでも家に返してやれば良かったよなぁ？自由にし過ぎたわ」




そう言いククっとわざとらしく笑った

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