49話 ページ50
「げんたろ…さん…
……あれ〜…じろうくん…なんで…」
Aさんは小生達の話し声が聞こえたのか
起きて来た。
「…Aさん。もう大丈夫なんですか?」
Aさんは相変わらずとろんとした目で
少し考えてからこく、と頷いた。
……どう考えても大丈夫では無いが…
「A。邪魔してるぜ」
「おはよ〜…」
「?」
此奴の意思は硬そうだ。
…まあ、少しくらい信用してやるか。
「じゃあ、お茶を淹れてきますのでそこでゆっくりしていて下さい。」
Aさんは「は〜い」と返事をした。
それに続くようにAさんの友人が気のない返事をした。
「……自分に対して嘘をつく程辛いことは
ありませんよ。」
二郎side
どうしたんだ…一体…
風邪とは知っていたが…
「えへへ〜なんか今日、ぽかぽかするね〜」
なんかこいつ…やたらとくっついてくる!!
つか、熱っつ!!!
しかも、言動もなんかおかしい…
このままくっついてたら
あの袴の奴にまた誤解されて…
「おい、A!本当に大丈夫か?」
と、肩を掴んで軽く揺さぶった。
「も〜…さぶろうくん、…ミルワームの話は
もういいからぁ〜……」
三郎の奴と間違われてる…
つーか、あいつら普段からどんな会話してんだよ…
「俺は三郎じゃねえ!!ほら、しっかりしろ」
と言うと、
「どっちでもいいや〜…えいっ……」
その瞬間、ふわっと甘い香りが鼻を通り抜けた。
Aが、俺に抱き着いた。
ぴったりと密着したこいつの身体は、どこもかしこも柔らかくて、いい匂いがして………
……この気持ちは忘れるって、決めたってのに。
つーか、この状況見られたらマジでヤバいんじゃねえか…?
「おい、離れろ。…う、写っちまうだろ…」
こいつはかなり鈍感だから
袴の奴が嫉妬する、なんて言っても真に受けないだろう。
と、思いながらAの肩を引き離した。
すると、Aは俺のことを見つめてきた。
「…じろーくん…」
「…なんだよ」
「おみまい、きてくれて、ありがとう…
…じろーくん、やさしいよね。そういうところ、
だいすきだよ。」
…分かってる。
こいつはこんな高熱で、殆ど意識がない様なもんだ。
『大好き』だって、友達としてだ。
なのに。
こんなことしたらまずいのに。
俺は、さっき引き離したAの身体を再び引き寄せ、抱き締めた。
✂- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
続きます!!
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ななこ(プロフ) - 桜花さん» ありがとうございます!そう言って頂けてすごく嬉しいです!これからも読んでくださると幸いです(´▽`*) (2020年3月23日 21時) (レス) id: 61a75fce3a (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - めっちゃ好きです!応援してます!!! (2020年3月23日 17時) (レス) id: f11b8bbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - ぽちょ汰さん» ありがとうございます!直しました! (2020年3月22日 10時) (レス) id: 61a75fce3a (このIDを非表示/違反報告)
ぽちょ汰(プロフ) - はじめまして! 急に来て感想じゃなくて申し訳ないのですが、38話が抜けちゃってます! (2020年3月22日 9時) (レス) id: dfea619684 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 柊さん» う、嬉しいです…!ありがとうございます(TT)これからも読んでくださると幸いです! (2020年3月18日 11時) (レス) id: 61a75fce3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななこ | 作成日時:2020年3月14日 10時