20話 ページ21
次の日曜日。
「幻太郎さん、今日もちょっと出かけますね。」
「またですか?
妾のことはもう飽きたのね…」
幻太郎さんはいつもの様に裏声で私をからかっていたが、表情には寂しさを含ませていた。
「そんな事ないですよ。
夕方には帰るので!」
私も幻太郎さんの扱いに慣れてきたと思う。
でも、幻太郎さんが、私を引き留めるなんて…
……仲が深まってきた証拠、かな?
今週は毎日料理を作ったし、ちょっとは
ふ、夫婦っぽくなってきた…かな!
なんて考えながら、上着を身に纏う。
「そろそろ梅雨ですねえ」
幻太郎さんが言った。
「そうですね」
「Aさん、小生って癖毛じゃないですか」
幻太郎さんは自分の髪を触りながら言う。
「え、はい
そう…ですね。素敵だと思いますけど…」
「ふふ、それはありがとうございます。実は…梅雨には湿気のせいで髪がアフロヘアーに…」
「じゃあ、行ってきますね〜」
「ちょっと、聞いて下さいよ!
…全く。嘘だと思ってるんですね?」
100%そうだと思ってます。
いつもいつも私をからかって…
…という視線を幻太郎さんに向けていると、
「ひどいです…小生は本気で悩んでいるのに…」
と言って悲しそうな顔をした。
「え……そう、だったんですか。」
そんなに癖っ毛で悩んでいるなんて…
「決めつけてごめんなさい。私も、出来る限り力になりますっ!
1人で悩まないで下さい!」
幻太郎さんの手に自分の手を重ねて、
励ました。
私に出来るのは、これくらいだけど…
「まあ、嘘なんですけどね。
折角休みなのに外の友達と遊びに行く薄情なAさんへの罰です。」
幻太郎さんはそう言うと居間の方へ行ってしまった。
「ひどいですー!!本気で心配したのに!!」
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ななこ(プロフ) - 桜花さん» ありがとうございます!そう言って頂けてすごく嬉しいです!これからも読んでくださると幸いです(´▽`*) (2020年3月23日 21時) (レス) id: 61a75fce3a (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - めっちゃ好きです!応援してます!!! (2020年3月23日 17時) (レス) id: f11b8bbdb3 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - ぽちょ汰さん» ありがとうございます!直しました! (2020年3月22日 10時) (レス) id: 61a75fce3a (このIDを非表示/違反報告)
ぽちょ汰(プロフ) - はじめまして! 急に来て感想じゃなくて申し訳ないのですが、38話が抜けちゃってます! (2020年3月22日 9時) (レス) id: dfea619684 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 柊さん» う、嬉しいです…!ありがとうございます(TT)これからも読んでくださると幸いです! (2020年3月18日 11時) (レス) id: 61a75fce3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななこ | 作成日時:2020年3月14日 10時