逆鱗に触れた。【我妻善逸】

漆 ページ8

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丁度今から出掛けようとするAと鉢合わせた




「今からでーと？」


素通りするのも何か気まづいから
一応何か声を掛けてみる



「う、うん」



可愛い音が耳に響いた

どくどくと心臓の音が高まる音
まるで恋をしているかのような



「ふーん」




なんでこんなにいらいらするんだろう


俺と出掛ける時にそんなお洒落しないくせに
なんで他の男とでーとする時はそんなにめかしこむんだよ




俺は何だか腑に落ちないので
自分の羽織でAの顔をぐちゃぐちゃにする


口紅をはみ出し
表には出れない顔にしてやった





「ちょ、..ん...折角化粧したのに！」




知るかそんな事





「似合ってねーよ！禰豆子ちゃんがした方が可愛いし！」




べ、とAの方に舌を出し
俺は禰豆子ちゃんの元へと向かった




その顔ででーとには行けないだろう
今から多分化粧するから待ち合わせにはきっと遅れる



時間も守れない女だと言われ
嫌われてしまえばいいのに




...っ、？！
何考えてんだ俺



禰豆子ちゃんの元へと向かおうとしたが何だか気分じゃないのでまず頭を冷やしに山を散歩する事にした




「...はぁ。」



Aは悪くないのになんでこんなに冷たく当たってしまうんだろう


本当は俺だって分かってる



禰豆子ちゃんを斬ろうとしたのは炭治郎と禰豆子ちゃんの事情を知らなかっただけだって事



俺は何に対して怒ってるんだ？




答えは分からない





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