君との時間を忘れないように (ページ2)

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会うなんて思ってなかったページ2

桜の花びらが教室の窓の隙間からひらりと風に揺られ入り込む高校生始まりの一日目。

俺にはもう寿命が無い、白血病だ
詳しい治療法や残りの寿命は聞かされていないが大体自分でも分かっている。

本当は今日学校に行きたくなかった、でも母親のお願いには逆らうことが出来なかった。
父親は俺が中学生の頃なくなった、その後母親はずっと泣いていた。
俺は少しでも安心させたくて何でも言うことを聞いた。
今回もそうだ、母親の頼みで嫌だけど来ている。

“学校に行くのも今日だけと思っていたのに”

チャイムの音と同時にドアを開け息切れした女子が少し大きな声で

A『お、遅れて、、、すみませ、ん！』

ボサボサの少し長めのポニーテール、何処かで見たことあるような、、、

皆、笑いの空気を作るが、すぐに先生が来てその空気は、消えた。

メガネを掛け肩よりも少し長めの女教師

「皆さん、入学おめでとうございます。木下美衣と言います。早速ですが、今から自己紹介をしてもらいます。名前、誕生日、好きな事、最後に一言お願いします。」

俺は思う、自己紹介なんて何の意味があるんだ、と
名前なんか教室の何処かしらを見れば分かる
せそれ故に“好きな事”なんていらないと思う、うん、いらないと思う。

それに先生はどうせ説明せずに、クラス便りかなんだかに載せて配るだけだろ

こんな事を一人で頭の中で考えていると先生がこう言った

「後は、11番と12番ですね」と

11は、、、俺だ
想像以上に時間は進んでいた