【文スト】「新年開けまして…あっ(小声)…閉めます。」中也「おィィィィィ!!!」【中原中也】

閉めます。9　兄妹恋愛ちゅーい! ページ9

中也の部屋。

貴女「あー……本当に久々〜!!

ねぇお兄ちゃん。姐様はいるかしら?」

ベッドに座り、お気に入りだったクッションを抱き締める。


うーん。と考えて、お兄ちゃんは

居ると思うぜ。と答えてくれた。


貴女「じゃぁ早速行ってみようかな!!」

立ち上がり、扉へ向かおうとすると、お兄ちゃんに引き留められた。



貴女「お兄ちゃん何如したの?」


私の腕を掴んで、下を見ている。
帽子被っているから、顔が見えない

お兄ちゃんの様子が変。
4年前の楽しげなお兄ちゃんじゃない。
分かってたよ。

貴女「お兄ちゃん。分かってたよ。私。」


腕を掴んでいるお兄ちゃんの手に、私は手を重ねる。

貴女「大丈夫、私はもう何処にも行かないし、

誰にも着いていかない。
着いていくのは、お兄ちゃん。貴方だけ。」


私は子供の頃、迷子になり、お兄ちゃんが見つけてくれた時に
お兄ちゃんに抱きついて離れなかった。
其以後、お兄ちゃんに抱きついて離れない事は何度もあった

双黒と呼ばれて、汚濁を初めて使ったあの夜も。
お兄ちゃんに抱き付いて、目が覚めるまで一緒にいた

其のときのように、優しくお兄ちゃんに抱き着いた。

お兄ちゃんの心臓の音が聞こえる


貴女「お兄ちゃんの愛は知ってる。

知ってるじゃ足りないぐらい知ってる。
お兄ちゃんは私の愛を知っている筈。

愛は、恋と一緒じゃない。
愛は、人を大切に思う気持ち。

愛は優しいもの。形の無い優しさとは、愛の事。


全部、お兄ちゃんが教えてくれた。


此れも愛。」


お兄ちゃんは私の背に手を添えた。
重力なんて使っていない。何時もの黒色の手袋もしていない。

優しいお兄ちゃんの手。


中也「分かってんじゃねぇか。


4年前、織田が死に、坂口、太宰が裏切った。絶望的だった。
手前は織田と仲が良かった。太宰とも、坂口とも。
3人が消えてから、手前は笑顔を無くした。

気分晴らしに、高けぇ紅茶飲み行っても
腹の底から笑ってくんねぇ

姐さんが髪飾りを買ってくれたらしいが、
其の時も………



俺は、手前が……Aが笑っていねぇとっ………


心配でならねぇ……ｯ!!」


抱き締めながら、お兄ちゃんは全てを話してくれた。
貴女「お兄ちゃん…ごめんなさい。


そしてお兄ちゃん…………あ」
言いかけたときだった
部屋の扉が開いた。


姐様だ。
咄嗟に離れた。
紅葉「おや、御取り込み中悪かったのう」

勘違いされた。恥ずかしい…



お兄ちゃんに耳打ちをした。








愛してる。

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