☆4 ページ5
『ッ。』
任務が終わってあたしは横腹を押さえながらゆっくりとあたしの屋敷に帰っていた。
最後の任務で失敗して鬼から横腹を斬られた。
おかげで深い傷から血が流れ出てきてる。
『痛いっ…。』
鈴「大丈夫カ？ヤハリ蝶屋敷ニ…。」
『大丈夫だよ。大丈夫だから。』
嫌だ。
蝶屋敷には行けない。
迷惑をかけられない。
また…あんなことをいわれたら。
胡「傷も自分で治せないんですか。他の方を傷つけておきながら自分は優雅に直してもらいに来た。なんとも我儘ですね。本当、虫酸が走るんですよ。もう来ないでください。貴方に使う薬はありませんから。」
『ッ！』
思い出すな。
思い出しても、苦しくなるだけだ。
あたしは歩くスピードを速めて屋敷に向かう。
そう。
普通に”誰にも”会わずに帰れたら良かったのに。
？「…A？」
『！』
気配が全くしなかったのに、後ろから急にあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。
あたしはびっくりして反射的に振り返る。
『ッ！』
宇「やっぱりAじゃねぇか！どうしたんだ、その腹の怪我…。」
『っ、来ないでください！』
駆けよってくる勢いの宇髄さんにあたしは数歩下がりながら言う。
『すぐに、帰りますから…。』
宇「何言ってんだ。その腹の怪我、深いだろ。呼吸で止血してるがほっとくと酷くなるぞ。今にでも蝶屋敷に…。」
『行きませんッ！』
…あ。
思わず、叫んじゃった。
これじゃまた…。
宇「キーキーうっせぇなぁ。やっぱ汚ねぇ奴は言葉でしか反論できねぇんだな。ダッセェ。」
『来ないで…ください。』
あたしは小さい声で言う。
『どうにか、するので。』
宇「……。」
宇髄さんはあたしを見て苦しそうに顔を歪める。
あぁ…。
あたしはまた何か判断を間違えた。
さらに、嫌われてしまった。
宇「分かった。近寄らない。だが手当ては絶対にさせるからな。俺の屋敷に来い。」
『え…。』
宇髄さんがあたしを見て言うから目を見開く。
宇「どうした？」
『い、いえ。』
あたしはまだ驚きながらも、先を歩く宇髄さんの背中を追いかける。
宇髄さんの屋敷に行く。
つまり、宇髄さんのお嫁さん達に会うってこと。
宇「嫁達に近づくんじゃねぇ。嫁達に”も”危害を加えてみろ。殺すからな。」
ああ言ってたのに、あたしをお嫁さん達に会わせていいのかな。
…あたしなんかが、行ってもいいのかな。
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実弥 - 更新ファイト！ (2021年1月9日 0時) (
レス) id: be651dffc3 (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - コメントと長文失礼します。続きが気になって、一気に読んでしまいました。夢主ちゃんがまたみんなと笑い合える日が来ることを祈りながらこれからも読んでいきたいと思います。更新楽しみにしてます。お疲れの出ませんように… (2020年8月15日 22時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
甘奈味 ミシェル(プロフ) - 餡蜜ちゃんさん» きっと、その思いだけで嬉しいと思いますよ。 (2020年8月3日 19時) (レス) id: b83386f481 (このIDを非表示/違反報告)
餡蜜ちゃん - 夢主さん、幸せになって欲しいです。 (2020年8月3日 17時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
甘奈味 ミシェル(プロフ) - 優しい子が悲しむ姿が見ているだけでとっても悲しくなりますよね…。 (2020年8月1日 22時) (レス) id: b83386f481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘奈味 ミシェル | 作成日時：2020年7月20日 23時
