☆3 ページ4
『星の呼吸、弐ノ型、星斬流。』
鬼「グガァァッ!」
あたしは首を斬った鬼を見つめる。
斬られた鬼の首は地面に転がっていた。
鬼「嫌だ嫌だ!消えたくないッ!」
鬼はそう叫びながら目から涙を流す。
『……。』
鬼「ぁ…。」
あたしは刀をおさめて、鬼の元に行ったらしゃがんで鬼の目から流れる涙を拭った。
『もう、大丈夫だよ。今度生まれる時に道を踏み間違えなかったらきっと幸せになれるよ。』
鬼「……。」
鬼はあたしをしばらく見つめる。
あたしは拭っていた手を鬼の頭に移して優しく撫でる。
すると鬼は眠たそうにゆっくりと目を閉じ、灰になって消えていった。
『……。』
あたしは鬼のいた場所をしばらく見つめてから立ち上がった。
?「カァーカァー。A。」
『鈴…。次の任務に行こっか。』
肩に乗ったあたしの鎹鴉、鈴は次の任務場所の北の山に向かうために今いる南の山を下っているあたしを見て心配そうに言ってくれる。
鈴「A、大丈夫カ?」
『うん。あたしから頼んでるんだから弱音なんて吐かないよ。』
鈴「ジャナクテ…。」
『ひゃぁっ!?』
鈴「!A!」
倒れこんだあたしにびっくりした鈴はあたしの肩から離れて、あたしの顔の横に来てくれる。
『あ、はは。ちょっと足ひっかけちゃった。』
ッ!
…痛いっ。
チラッとひっかけてしまった足首を見たら、赤くなっていた。
挫いちゃった…。
でも、まだ任務が五個あるんだ。
自分から頼んだんだから、早く終わらせないと。
鈴「A?」
『ううん。何でもない。早く行こう。』
あたしは平気なふりして無理やり痛む足首を動かす。
鈴は何か言いたそうにしながらも、何も言わずにあたしの肩に乗った。
ごめんね、鈴。
でもあたしは無理やりにでも任務に集中しないと。
でないと、あたしの精神状態が保てない。
『次の任務、どんな問題が起きてるの?』
鈴「人がどんどんと殺される事件。でもそれだけじゃない。死んだ人間を土に埋めたはずなのに翌日には掘り起こされて死体がなくなっている。」
『…分かった。』
きっと鬼が喰っているんだ。
ひとまず人間を殺し、後で喰う。
それは周りの人達を恐怖でいっぱいにするのも目的。
『十二鬼月ではないけれど、鬼になって日が長い鬼だと思う。次の任務は苦戦しそう。』
鈴「応援ヲ呼ブカ?」
鈴の言葉にあたしは首を横に振る。
みんなに、迷惑かけられない。
あたしが一人で何とかしないといけないんだ。
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実弥 - 更新ファイト! (2021年1月9日 0時) (レス) id: be651dffc3 (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - コメントと長文失礼します。続きが気になって、一気に読んでしまいました。夢主ちゃんがまたみんなと笑い合える日が来ることを祈りながらこれからも読んでいきたいと思います。更新楽しみにしてます。お疲れの出ませんように… (2020年8月15日 22時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
甘奈味 ミシェル(プロフ) - 餡蜜ちゃんさん» きっと、その思いだけで嬉しいと思いますよ。 (2020年8月3日 19時) (レス) id: b83386f481 (このIDを非表示/違反報告)
餡蜜ちゃん - 夢主さん、幸せになって欲しいです。 (2020年8月3日 17時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
甘奈味 ミシェル(プロフ) - 優しい子が悲しむ姿が見ているだけでとっても悲しくなりますよね…。 (2020年8月1日 22時) (レス) id: b83386f481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘奈味 ミシェル | 作成日時:2020年7月20日 23時