6階 ページ14
東京勤務が決まって1番最初に浮かんだのが
元カレの顔……
10年くらい前に同窓会で１度見かけたけど
私が振ったのに
「久しぶりやね」
って私の大好きだった笑顔で笑ってくれた
「夏から東京勤務決まってん」
「マジで〜 じゃぁ時間が合えばこっちのみんなでAの歓迎会兼ねてプチ同窓会しようよ」
高校からの悪友 春香に報告すると
そんな返事が返ってきた
「そうやね 丸ちゃんに久しぶりに会いたい」
「丸ちゃんかぁ〜 BARしてるからどうかな
一回聴いてみるわ」
BARで働いてるの？
オーナーさん？
バーテンさん？
私の知らない丸ちゃんがいっぱいで
もう10年も経てば当たり前か
私は？この10年間で何が変わったんやろ？
「A？
Aやんな？何で〜？」
10年ぶりの丸ちゃんはやっぱり相変わらずで10年ぶりやというのに
あの頃と同じ笑顔で迎えてくれる
でもやっぱり10代や20代とは違って
お店の照明のせいかもしれんけど色気が増したな
「ALINE交換しようや」
「うん また飲みに来るよ」
「Aやったらいつでも歓迎するわ」
って笑うから
ドキドキしてしまう
私が振ったのに調子が良すぎる
それでもあの頃と変わらない丸ちゃんに
またドキドキしてしまうんだ
「何ぃ〜？ ずっと見られてんねんけど」
「丸ちゃん大人になったなぁ〜って思って」
「そらそうやで 何年経ってるとおもてんの(笑)」
あれから何度か丸ちゃんのお店に飲みに行ってる
「Aやってメッチャ綺麗になったやん
最初マジでビックリしてんからな」
「そんな事ないって」
「ほんまやって
あぁ〜あの時無理にでも別れんかったらよかった〜って」
「振ったん私やん」
「そうやけどさ俺に距離を乗り越えられるほどの愛があったら別れてなかったかもしれんやろ？」
「そんなんお互いさまやって」
「チョット後悔したわ」
丸ちゃんは何も悪くないのに
ごめんなってまた笑った
.
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作者名：ほままる | 作成日時：2016年8月27日 4時
