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4章:3『restart』 ページ23

社長「もうずっと、"正式に"2人で歌うことは無かったわけだし、最近応援し始めてくれた人はそれぞれのソロが好きだという人もいる。2人とも曲の方向性が違うし、ファンが2人に着いて行けるかどうか、慎重にならないといけない。」


社長の言っていることは、正しいと思う。


第一ずっと別々に歌ってきた。その年数が長いだけ、ファンの気持ちも汲み取らなければならない。


社長「だから、2人が歌っていたあの公園で、また当時と同じように歌うんだ。そこで、どれだけの人を笑顔にできたか、どれだけの人の心を動かせたかで、2人が歌うことの価値を示して欲しい。」


社長が出した条件を、2人は迷わず引き受けた。


僕達のスタートとなったあの場所が、再び僕達のスタート地点となる。


本番は取り壊しが始まる前日。本当に最後の日。


その情報はあっという間に拡散されていき、当日は公園の周りの道で交通規制がかかることになってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それから、昔みたいに2人で練習した。


あの日、初めてあの場所で歌った曲を使うことにした2人は、とても生き生きとしている。


梨将は、仕希が仕事で居ない間も練習を続けた。


ステージに立つことだけが、事務所所属の条件じゃない。


仕希と…………いや、使祈と並んで歌い、踊るだけの実力を見せなければ。


事務所の移動後からはずっと裏方の仕事ばかり任されていたため、少し訛ってしまった身体を慣らす。


…こうして、あっという間に当日を迎えることとなった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


仕希「もう、梨将、緊張しすぎだって」


公園の小さなステージの周りには、沢山の人が集まっている。


そこから少し離れた場所に停めた車の中で、予定の時間を待つ。


当時と同じようにしたくて、2人は私服でステージに上がることにした。


梨将「仕希、俺…また歌えなかったら…」


仕希「大丈夫だって。昔はいつも、あそこで…2人で歌っていたんだから。」


車から降り、公園のほうを見ると、今か今かと笑顔で待ち望む大勢のファンが見える。


2人のために集まってくれたファン達。2人のためにステージの準備や交通規制をしてくれている人達。


みんなのお陰で成り立つステージで、2人は思いっきり歌った。


当時は広々と感じていたステージは、今ではとても小さく感じる。


アンコールが何度も続き、貸し出しの時間ギリギリまで続いた。

4章:4『改めて』→←4章:2『手紙』



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草津蓮哉(プロフ) - 欅さん» コメントありがとうございます!学業の関係で中々更新できていませんが、時間を見つけて少しずつでも更新していこうと思っております。推しは環と万理さんです…! (2020年3月5日 7時) (レス) id: ef06dcdedf (このIDを非表示/違反報告)
-  この作品に巡りあえて幸せです! お忙しいとは思いますが、頑張ってください。応援してます。 推しは誰ですか? 私は三月推しです! (2020年2月4日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:草津蓮哉 | 作成日時:2018年5月30日 2時

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