方 ページ2
...先週は直ぐに帰っちゃったけど変に思われてないかなぁ。
ポケットからスマホを取り出して、カレンダーを見る。
そこには、❮水曜日···お菓子を渡す日!❯と書いてあった。
『...頑張ろ。』
大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて図書室へと足を運ぶ。
扉を開ければ女の子達の内緒話や、ページをめくる音が聞こえてくる。
その音を聞き流しながら二階へと上がる。
二階へ着けば、彼はまたいつもの場所で本を読んでいた。
とても集中しているようで、近付いても気が付かれなかった。
『エミさん？』
em「ひゃいっ?...Aさん！良かった...来てくれた...」
最後の方は良く聞き取れなかったが、名前を呼ばれて無意識に口角が上がってしまう。
『ごめんなさい、驚かせてしまって...』
em「そんなの大丈夫ですよ！それより、また来てくれたんですね。あの日から来ていなかったので。心配しました。」
少し悲しそうな顔をする彼。
「心配しました。」
そう言われると何だか嬉しくなる。
私の事を思ってくれている、と思えて。
『そうなんですか⁉私も最近忙しくて来れてないから、大丈夫かなって心配だったんですが...ごめんね、エミさん。これ、作ってきたから。』
鞄からマカロンを取り出す。
4つあって、小さめの箱に入っている。彼に渡すと、
em「美味しそうですね...でもまた貰っちゃって良いんですか？」
『大丈夫ですよ。私がエミさんにあげたいから渡してるんです。...もしかして迷惑、ですか？』
不安になってきたので恐る恐る聞いてみる。
すると彼はこれでもか、と思うくらいに首を横に振った。
em「ちゃいますって！むしろ嬉しいくらいですよ！ただ、私なんかが貰って良いものなのかと...」
彼がマカロンの入った箱をぎゅう、と握る。
『エミさん、言ったでしょ？私があげたいから、渡してるんですよ。もっと自信持って下さい！』
そう言えば彼は笑顔に戻った。
em「そう、ですよね。...ありがとうございます。嬉しいです!」
ほんのり耳が赤くなっている彼。
きっと照れているのだろう。
男性相手に失礼だとは思うが、可愛いと思ってしまった。
『いえいえ、こちらこそ貰ってくれてありがとうございます。それでは。』
そう言って席を立とうとすると、腕を掴まれる。
em「!!待って！」
何かしたのだろうか、と思っていると彼から一言。
em「もう少しお話、しませんか？」
答えは勿論、
『...喜んで。』
その日は下校時刻まで喋り倒した。
とても楽しく、幸せな時間だった。
二回目、成功。
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ぽっぷこーん(プロフ) - 春が来たー！更新頑張ってください (2021年9月3日 16時) (
レス) id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
吉山田きのこ(プロフ) - はったりさん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ございません!ありがとうございます！頑張って更新するので、待っていて下さい！ (2019年8月6日 20時) (レス) id: d8304cf352 (このIDを非表示/違反報告)
はったり - 春無のエミさんに…春だと！？ キュンキュンしました！続き頑張ってください！ (2019年8月2日 16時) (レス) id: 41ac5a4538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田きのこ | 作成日時：2019年3月19日 21時
