#19 <__の企み> ページ20
彼は暗闇の中、パソコンの画面を見つめていた。
世でいうハッカーのイメージであるが、実際そんなことをしていない。
プログラムのバグ修正を行っている。
彼のプログラムは完璧なものだった。
隙もなく、解除が可能なものではない。
彼は仮想世界を利用し、この現実世界を変えようとしていた。
友人のため、愛する人のため、大切な人のために。
しかし、そのためには命をも掛けなければならない。他人のために命を惜しまない。
彼の決意は本物だった。
だから、このプログラムを作り上げた。
彼は、親友に一度このような言葉を浴びさせられた。
_それは相手が望むことなの?
その発言に彼はとっさに反発した。
_異論は認めない!私が望んでいることだ!
確かに私には権力などない。だからこそ、このプログラムが必要不可欠。
冷たい瞳を彼は親友に向けた。
それ以来、親友とは話すこともなく、すれ違いぎわでも挨拶を交わすこともなくなった。
絶縁してしまったのだ。
彼にとって親友の存在は大きかった。
だからこそこのプログラムを完成させた。
彼はニヤリと笑みを浮かべた。
《さあ、実験開始だ。》
そして、プログラムを起動させた。
___
〜記憶改変編、完結。
先生の秘密編、始動。〜
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作者名:夜桜まお | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/457d94de031/
作成日時:2017年8月25日 18時