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11話:協力の始まり ページ12

結局森を抜け、目の前に大きな川が現れる。


それぞれがおもむろに川へ入るが、流れが強く、足を持っていかれないようにするので精一杯だ。


勇気を持って川へ入った者も、なかなか進めず引き返していく。


それを見ていた生徒たちも、怖気付いて川へ近づかない。


気づけばその場からは3分の2の生徒が立ち去っていた。


小さな体で、ようやく川の半分を越えた面々。


力のある男子たちの後を懸命に追いかけているのが、小豆だ。


他の女子たちが立ち去った後も、小豆は必死で進んでいく。


が、川底の石に足を取られ、前に倒れそうになる。


「…っ…大丈夫か?」


前に居た男子…飛鳥の肩に倒れかかったのだ。


「ごめんなさい…!」


小豆は代々忍びの家系であり、両親や姉たちに散々厳しく教えられてきた。


こんなところで失敗すれば、両親がなんて言うか…。


「…肩、掴まっててもいいよ」


「え?」


この場の誰も、他人と協力なんてしようとしない。


隙あらば蹴落とそうとする者もいる。


なのに、こんなにすぐ妨害できそうな相手を手助けするなんて。


いつの間にか川を渡りきっていた。


影で見ていた先生方が、タオルを抱えて目の前に現れた。


先生「ごめんな、毎年五年が一年の最初の授業を決めるんだが…」


先生「最初の授業でここまで生徒が減るなんて、アイツらは何を考えているんだ」


とりあえずタオルで簡単に拭き、風邪をひく前に、と先生方のサポートの元、すぐに校舎へ戻った。


あの後結局小豆を含めた何人が風邪をひき、飛鳥が看病をする先生方を手伝っていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの時飛鳥が助けてくれたおかげで、小豆は最初の授業を終えることができ、今もこうして授業に出れている。


この学年だって、飛鳥が取りまとめてくれたおかげで団結力がつき、協調性のある学年になった。


そんな飛鳥がどうして、自分で挨拶に来ることも無く立ち去ってしまったのか。


飛鳥が元居た部屋は包帯や薬草が置かれたまんまで、小さかった医務倉庫はそこへ移動された。


もう本当に、戻ってくることは無いのだろうか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


守一郎「おーい、飛鳥ーー!」


朝、顔を洗っていた守一郎は、寝巻きのまんま学園の塀へ登り、座っている飛鳥を見つけた。


なぜだか真剣な表情で、遠くを見つめている。


そこで、声をかけてみたのだ。

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ラッキー学年orコンビ等

三年は組


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作者名:草津蓮哉 | 作成日時:2020年1月26日 4時

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